あらすじ
若き精神科医の挑戦。心の奥の叫びを素直に受け入れよう……気鋭の精神科医と患者さんたちとの交流から見えてくる本当の治療ーー白衣を着ないで診察するぼくのスタイルは、できないことがたくさんありますという無言の表明です……。患者に対して、医者に過度の期待をするな、と警告する若き精神科医・伊波真理雄。自らの過去をさらけ出し、患者と本音で対峙して見えてきたものは、いったい何だったのか。感動のルポ。
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Posted by ブクログ
薬物依存・引きこもり・PTSD等の若者と彼等を回復へと導いた精神科医の「魂の記録」と言っても良いと思います。
また著者(伊波)は自身をアダルトチルドレンとして、赤裸々な半生の告白もしています。
医者と患者という上下関係の中で治療するのではなく、対等な人間
同士の関係の中から患者の回復力を引き出すやり方は効率が悪い(一度にたくさんの患者を治療するという意味では)のでしょうが、結果的にはとても確実な方法に思います。
Posted by ブクログ
精神科医のいろいろな患者さんとの関わりの記録。
患者さんがどのようにして悩んで、回復への糸口をつかんでいくかが書かれている。
人の心は粘土のようにやわらかくて、幼少期の環境によってどのような形にも変えられてしまう。
大人になってからの幸せの感じ方も、目に映る景色の見え方も、小さいときにできた形で変わってくるんだろう。
著者自身も、夫婦喧嘩の絶えない、しかし、勉学などに多く期待される厳しい家庭に育つ。
自らを、感じない、話さない、信じない
アダルトチャイルドだと分析する。
医師の気持ちも露わに書かれている。
そのころの僕は医師らしくあることに必死だった。
なめられたくない気負いで一杯になる。
上から下までブランド物の服で身を固めて病院に勤めていた。
ど、新米時代の不安感がよく伝わってくるようだ。