【感想・ネタバレ】「民」富論 誰もが豊かになれる経済学のレビュー

あらすじ

なぜ、現代日本では、景気拡大と不況が同時進行するのか。いくらがんばって貯蓄し倹約しても、どうして、日本の消費者は「よい暮らし」ができないのか。従来の経済学の教科書では、この難問は永遠に解けない。ミステリーだらけの日本経済の謎を、東京大学理学部出身の異色エンジニアが奇想天外の「超・経済学」の観点で解明。「貯蓄が投資を生むのではなく、投資が貯蓄を生む」「倹約や貯蓄は日本をダメにする」「財政赤字は国民への贈与だ」など。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 通説とは違った視点で財政赤字や投資と貯蓄の関係について論じた本。

 「財政赤字は国民への贈与」という論は以前も触れた。だが、2000年代に入っての戦後最長の景気拡大の下でも国債発行額が増え、バブル崩壊後のデフレ下でも膨大な額の国債が発行されたのに国民の個人資産額の合計が増えている(1178兆→1401兆円)という不思議な点があることを指摘している本を読むのはこれが初めてだった。

 「貯蓄→投資」ではなく「投資→貯蓄」という論は初めてだった。日本に「誰でも自由に貯蓄できる」という錯覚があるための誤解。投資で市場に出回る金額を増やしてなるべく多くの人に分配されてこその経済である。

 分配性が高ければ、経済格差も縮まります。江戸っ子は「宵越しの銭を持たない」と言われていたが、経済学的に考えれば、これは理に適った経済活動なのだと思った。

 アダム・スミスの「見えざる手」は「地産地消」を表わすというのも面白い。確かに経済のためには安い輸入品より高い国産品を買うべきか。

 まあ、それなりに勉強になる本だった。

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2011年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
なぜ、現代日本では、景気拡大と不況が同時進行するのか。
いくらがんばって貯蓄し倹約しても、どうして、日本の消費者は「よい暮らし」ができないのか。
従来の経済学の教科書では、この難問は永遠に解けない。
東京大学理学部出身の異色エンジニアがたどりついた、真に「日本の国民」の役に立つ「超・経済学」とは?

[ 目次 ]
序章 財政赤字は国民への贈与になる
第1章 景気拡大と同時進行した不況
第2章 社会全体では「節約はできないが贅沢はできる」
第3章 全員は儲からない(金持ちが儲けるのは貧乏人のおかげ)
第4章 国内総生産は多ければ良いというものではない
第5章 企業利益の一部は公のカネである
第6章 高い国産品の代わりに安い輸入品を買うと国民の収入が減る
第7章 グローバル化による生産性向上が格差を広げる
第8章 グローバル化にどう対応するか
終章 経済学というミステリー

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2011年06月06日

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