あらすじ
大気圏では、多種多様な微生物が空を飛んで何千キロも旅をしている。彼らは、どこからやってきて、人間にどんな影響を与えているのか。気球や飛行機、ヘリコプターを使った独自の微生物採取手法を開発した著者が、実験・研究の工夫、苦労、成功談などをおりまぜながら、大気中の微生物の意外な移動の軌跡と、彼らの気候や健康、食べ物、環境などへの影響を探る、異色サイエンスノンフィクション。
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Posted by ブクログ
いまや、学際を意識していると、あっという間に取り残されるのだろうな、ということを感じた。
黄砂にのって日本に到達しているかもしれない、微生物。飛来してきているのは間違いないがさて、そのオリジンは?
発生源(まきあげられている地域)はタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、中国本土、朝鮮、と様々。しかし、それを統一して計測する手段を考え、研究機関の協力体制を整え、そして…
黄砂の層は積雪の間に残る。それがきれいにのこるのが、富山地方の春先10メートルに及ぶ積雪。(バスルートのみ、舗装道路が出ているが両脇が6-7メートルの積雪…という北陸の定番画像でおなじみ)
そのほか、ヘリコプター、飛行機、気球、による上空の空気に含まれる試料採取の一長一短など、「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」「進化の法則は北極のサメが知っていた」に通じる、平易な解説と、素人には思いもよらぬ研究の最前線の情報が詰まっている。