【感想・ネタバレ】崩壊の森のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

産経新聞の駐ソ特派員であった斉藤氏をモデルとした「東洋新聞 土井垣」記者が,ペレストロイカ半ばのモスクワに赴任し,改革派と保守派の抗争,ベルリンの壁崩壊,保守派クーデターとエリツィンの台頭を経て,ソ連が解体されロシア共和国が設立されるまでの5年間を描く.
ゴルバチョフのペレストロイカは,国民の民主化運動よりも,むしろソ連構成国の民族運動に火をつけ,それはゴルバチョフらの予想を上回るスピードで進行し,グリップを失った共産党は70年間に及ぶ統治者の座から降りざるを得なくなる,
一方,赴任当初は当局発表の行間を読み取り,各方面を刺激しないような記事を作成することが特派員の業務であったのに対し,チェルノブイリ事故の隠蔽に端を発して始められたグラスノスチによって,土井垣らの取材活動は次第に自由度が増し,ついには大スクープをものにすることもできたのであるが,それは新生ロシアに根付くことはなかった.「私はあなたに『ソ連という国は変わらない』とも言ったはずですよ.」(p.408)

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2023年01月02日

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