あらすじ
あなたの知的パフォーマンスを高める――
認知心理学、教育心理学の専門家が、賢い「頭の使い方」を指南!
頭のよさとは?/頭を上手に使う/気持ちを整え、やる気を引き出す/メタ認知はこうして育つ
自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる「もうひとりの自分」。それが「メタ認知」だ。この「もうひとりの自分」がもっと活躍すれば、「どうせできない」といったメンタル・ブロックや、いつも繰り返してしまう過ち、考え方のクセなどを克服して、脳のパフォーマンスを最大限に発揮させることができる! 認知心理学、教育心理学の専門家が指南する、より賢い「頭の使い方」。
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Posted by ブクログ
認知心理学、教育心理学が専門とされる著者。頭のよさ=「知能」という概念で定義を記してくれています。
①知能とは、学習する能力である
②知能とは、抽象的に考える能力である
③知能とは、環境に適応する能力である
もう、学校での学びから解放されていいんだなと感じる人も多いのではないかと思います。
そして、スタンバーグ、ガードナーと心理学者、研究者の概念を挙げながら「眠ることが大好きな私は‥」と著者の体験に戻っていく筆致は読んでいても飽きさせません。読みやすい!
単純に「メタ認知」とはなにか、という本ではなく、「〇〇すればメタ認知力は獲得できる」という本でもなく、メタ認知という概念を生活の中での扱い方を理解させようとしてくれているような。きっと、第5章の「メタ認知はこうして育つ」が理解できているから、十分にわたしのメタ認知も育っているのではないかな。それはメタメタ認知では、そうではないかもなので、修正が必要かな!
Posted by ブクログ
知りたかったメタ認知の内容が誠実に書いてある本だと思いました。気になるトピックや大げさな見出しで興味を引くような本とは違い、理路整然と時に学術的な知識も踏まえメタ認知についての解説がなされています。
内容はメタ認知とは何か、その働きついてのことはもちろん、頭の良さとの関係、歴史、実践的な話など。特に実践的な話に関しては教育の現場で著者が試されてきたこと踏まえ解説されています。
本への評価になりますが、全編通して著者の言葉で書かれているような信頼感があり、且つ読みやすいです。非常に説得力があり、他の、専門家ではない作家の書いた論文の寄せ集めのような本とは一線を画しています。内容的には入門書だと思うのですが、専門的な知識を持ち合わせた方がここまで噛み砕いて一冊の本にしてくださっているのは珍しい気がします。
Posted by ブクログ
「メタ認知」について、歴史的背景、注目されるに至った経緯、育て方まで書かれた入門書的な一冊。
自分の関心事がメタ認知の育て方なので、その部分を時間をかけて読んだ。
以下、雑感
▼メタ認知を育てる人的環境として「可能な範囲で、生徒や部下に、自分で考え、自分のやり方を工夫・改善する機会を与えること」「まずは、自分で考え、自分のやり方を工夫・改善することを奨励する雰囲気、風土、文化」が大事とあり、これはビジネス用語で言う「エンパワーメント」の発想と共通しているのではないか?
大枠を決めた上で、その枠の中では生徒に自由にやってもらい、タイミングを決めて、こちらからのフィードバックをするのが効果的なのではないか?
▼大人がメタ認知しているところを見本・デモンストレーションとして見せることが効果的というのは興味深い。
▼「メタ認知を助ける人間関係」として「仲間」に活躍してほしいとあった。これは「ピア・サポート」に繋がるのではないか?
メタ認知を促す忌憚ない意見を言い合える関係づくりが前提にあるため、その関係づくりを勉強したい。
▼「メタ認知を促す意見文作成トレーニング」を普通の公立中学校の日常的な国語の授業で実施するためのアレンジ案を考えたい。
思考が促される良い本でした。
Posted by ブクログ
メタ認知とは、思考するわたしを俯瞰して思考すること。世阿弥は“離見の見”と言ったが、この言葉になぞらえると、「離考の考」とでも言おうか。
メタ認知が高まると、主体的自律的に行動でき、自他資本を有効活用でき、どんな環境でも生き抜くことが出来る。これからの時代には重要で必須なものだと思う。
Posted by ブクログ
前半は、学者の先生の著作らしく、メタ認知の歴史など基本的な紹介で、後半からが本書のメインテーマです。
「頭がよい」とは、得た知識を活かすことができることであり、生まれながらの能力ではなく、誰でも訓練で、高めることができるもの、と捉えました。
訓練の方法としては、自分でよく考える→他人の意見を聴くことで考えの幅を広げていくのが有益とのことです。
本書では、メタ認知を鍛えるための教育的実践についても紹介されていますが、若いころにこのような教育を受けるのは、大変よい経験だと思いました。
本書は、頭を良くするための新奇な方法が記載されているわけではありません。
メタ認知が、変化の激しい現代を生きていく上で、必須のものであることは間違いないので、そのことと、メタ認知能力の鍛え方を知識として得たのは有益でした。
ただ知識を得るだけであれば、本やネットでも可能ですが、(できれば)対面で多くの人と接し、色々な考え方に触れることの重要性を改めて認識しました。
Posted by ブクログ
自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる「もう1人の自分」。それがメタ認知。メタ認知を活用することで脳のパフォーマンスを最大限に活用することごできるようになる。
記憶した後に睡眠をとった条件では50%以上を覚えていたのに対し、睡眠を取らなかった条件では10%程度しか覚えていなかった。
他の認知課題でも睡眠をとったグループが良い成績をあげた。
ジョン・ジェンキンスと変わる・ダレンバッハの研究
メンタルブロック
「どうせ自分にはできない」という思い込みができるはずのことをできなくさせ、分かるはずのことを分からなくさせてしまう。「自分には無理」と決めてしまうことでそれ以上試みることをやめてしまう。
学ぶことは楽しいと思えたなら、ドーパミン、オキシトシン、βエンドルフィンなどを分泌させ意欲も頭も良く働くようになるし、関心のある内容について学ぶ際には放っておいても楽しい気持ちになり学んだ成果が現れやすくなる。
ブレインストーミング法
4つのルール
①できるだけ多くのアイデアを出す②自由奔放な考えを尊重する③出されたアイデアを批判しない④アイデア同士を結合し改善する
多様な考えに触れることを繰り返すと思考が柔軟になる
他者からの相槌とうなづきが発想を促す
討論が思考を複眼的にする
頭を上手に使うためにはまずは頭の中の状態に対して敏感になることが必要。現在の頭の働き具合について三段階程度(良い、普通、悪い等)自己評価を行ったり、自分自身にどういう状態かと問いかける(メタ認知的モニタリング)。
頭の働きに注意を向け、体内部の状態や外部環境をできる限り最適化する。
1日の中で頭がうまく働いてくれる時間を長く保てることが大事。頭がうまく働かない原因を探り、その原因と考えられるものを一つずつ取り除くことを習慣化すると、パフォーマンスが上がる。
頭を働かせるには、気持ちが前向きで安定していることが大切。感情の乱れにより認知資源の減少が起きる。そして認知の偏りが生じる。メタ認知が働きにくくなる為自分の認知活動のパフォーマンスの低下も感知できなくなる。
怒りの感情は非常に強いエネルギーを生み出すのでこれを前向きに貴重なエネルギー資源と捉え頭を使う作業に敢えて没頭し、使い切ってしまえば気持ちも落ち着く。
やる気は「〜したい」欲求、「〜は楽しい」という感情、ポジティブな捉え方(認知)の要素があって生まれるもの。
Posted by ブクログ
途中、内容が入って来ない部分もあったが、すっきり読めた。
学び
他者と意見を共有することは、メタ認知の向上に役立つ
ネガティヴに見える出来事も認知次第で受け止めが変わる
あいづちとうなづきが発想を促す
Posted by ブクログ
出版年が新しい割には、新規な知見やアイデアは見当たらない。
メタ認知の育み方としては、やはり一人では難しく、第三者を含めて行う形になる。
メタメタ認知について深堀してほしかったが、一文程度で終わってしまった。
今となっては広く知られているメタ認知に関して、教育の目線からまとめたものなので、メタ認知について知らない教育関係者には、基礎を知る上で有益だろう。