あらすじ
国産小麦100%を実現!奇跡のパン屋物語。
北海道十勝に店を構える小さなパン屋『満寿屋』。
一見普通の店に見えるが、実は業界でも不可能といわれた国産小麦100%使用を成功させ、そして年商10億円を売り上げる、奇跡のパン屋なのである。
水は大雪山の雪解け水を使い、小麦はもちろんバター、牛乳、砂糖、酵母、小豆まで地元産を使用。
安全、安心、そして究極の国産パンを造ろうとチャレンジを続けてきた世界でも希なパン屋3世代の熱いドラマを描く。
ベストセラー『サービスの達人』『イベリコ豚を買いに』著者が贈る、傑作ノンフィクション。
※この作品は単行本版として配信されていた『世界に一軒だけのパン屋』の文庫本版です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
パンのおいしさとイメージ戦略は関係がない。わたしたち客が買いたい、食べたいと思うのは企業イメージではなく、パンそのものだ。
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粉物の味に影響しているのは小麦粉だけではなく、空気だ。
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パンの試作とレシピ作りの作業は、「一に忍耐、二に我慢、三、四がなくて、五に辛抱」といった気持ちにならなければやれないのだ。
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十勝のパン屋、小麦生産者がやることとして「国産小麦でパンを作っている」と存在を主張するだけでは足りない。国産小麦のおいしい食べ方を、しかも独自の食べ方を考えて全国に広めなくてはならない。
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「食品に対して安心を求めるならば消費者自身が主体的に動かなくてはならない」
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いまも客をひきつけているのは、話題性を追うのではなく、古くからある定番のパンと、現在の流行に合わせて開発したパンを組み合わせて店頭に出してきたからだ。
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地震と停電で彼が感じたのはまっとうな職業意識だった。小麦、水、酵母、砂糖、塩と窯さえあればパンは焼ける。避難している人たちがいる場所で窯を築き、あるだけの材料でパンを焼くこともまたボランティアであり、地域への貢献となる。それができるパン屋であり続けよう。杉山はそう思っている。
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Posted by ブクログ
国産小麦100%のパンをつくろうとチャレンジを続けたパン屋、満寿屋の三代にわたる物語をつづったノンフィクション本。
三代にわたる想いが結実した国産小麦100%使用のパン。想いが実るまでの苦闘や、食にまつわる問題などが書かれています。
本書を読むと、美味しいパンが食べたくなります。