あらすじ
家に帰れば大吉がいる。
ひとりでいるとそばに寄り添ってくれる。
仕事の邪魔もするけれど、
その寝息で僕を安心させてくれる。
もはや、家に帰るのではなく、
大吉の元に帰るような気持ちにすらなる。
あのベストセラー『「言葉にできる」は武器になる。』の著者・梅田悟司氏による話題作『捨て猫に拾われた男」(2017年9月刊)を改題した、待望の文庫化版。
「甘えたいときに甘え、構ってほしくない時には容赦なく爪を立てて牙をむく。そんな横暴な振る舞いをしてもなお愛される猫の生き様に、相手の顔色ばかりを窺いながら生きてきた僕は、もう一度、人として生きる自分の居場所を見つけた」――
ある偶然から里親として迎えた一匹の黒猫「大吉」。妻様と二人、あの手この手で一生懸命尽くすもなかなか心を開いてくれない大吉が、様々なトラブルを乗り越え、時間をかけて「家族」になるまでの著者の実体験をもとに描き出されたほのぼのとしたストーリーの中に、梅田氏ならではの視点から「人の生き方、幸せとは何か」を問いかけた本書は、市原隼人主演のスペシャルドラマ(NHK―BS)化、ノベライズ化(宝島社)に続き、2022年1月には漫画化(コミカライズ)され、講談社(ヤングマガジン)の漫画アプリ「コミックDAYS」で連載がスタートした。
新型コロナ禍で、会社や組織という縛りと距離を置き、自分の生き方を見つめ直す機会も増えている。著者が描き出す一つひとつの短いエピソードを通じて、ゆっくりと人生を考えるには最適の一冊である。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今までのどんな生き方指南書よりも、すっと心に入ってきた。日常の猫との生活から、ここまで多様な考えに至る作者の洞察力もすごいとは思うが、上目線から猫を見ていない作者に好感が持てた。逆に、この社会において、作者と同じように猫の視線に合わせた家族がどれだけいるのかと思う。自分も、どちらかというと上目線で一緒に生活をしていたペットを見ていた事に気づかされた。
Posted by ブクログ
本書はいわゆる自己啓発書ですかね。サブタイトル「きみが教えてくれた生き方のヒント」とあるように、梅田悟司さんが黒猫の大吉と一緒に暮らすようになって気づいた、自分らしく楽に生きるためのヒント集です。
もともと2017年に発刊された単行本は『捨て猫に拾われた男』というタイトルで、文庫化する時に男→僕に変わったようです。
犬派だった梅田さんが、大吉を引き取ってあっという間にメロメロになってなっていく様がとても微笑ましいです。
生き方のヒントは、例えば「猫は常に足を下にして着地する」ことから、「どんなトラブルが起きようとも、着地さえうまくいけばケガを防ぐことができる。そして、次に向かうことができる。」のように、多少こじつけ感は否めませんね。でもマイペースでツンデレな猫の本質を良い方向に上手く捉え、それを人間の生き方のヒントへと昇華させる技はさすがです。
頁の左上に小さな黒猫のイラストがあって、かわいいなぁと思っていたら…ん、これはもしや!パラパラ漫画になってました〜。