【感想・ネタバレ】彼女は二度、殺されるのレビュー

あらすじ

第20回(2022年)『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉は、秋尾秋(あきお・あき)作「死者を一時的にゾンビ化できる」能力者が活躍する特殊設定ミステリーです!
傀々裡(くくり)という、死者を一時的にゾンビにする能力をもつ能力者たちが存在する現代日本。能力者を管理する福音協会から派遣された黒緒(くろお)と白夜(びゃくや)は、何者かに殺害された娘・真珠を蘇らせるべく周防家を訪ねるが、彼女の死体は傀々裡が不可能なほどに損壊していた。二人は、真珠殺害犯と、死体損壊の犯人を探すことになる。しかしその矢先、真珠の友人が殺されたと連絡が。さらに黒緒も何者かに襲われて心臓をひと突きされ――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルの意味が最後黒緒に重なるの良かった。
白夜が自殺未遂か誰かを殺したっぽい語りと、実際にククリをするシーンが出てこないところから黒緒の方が式鬼説ってのはちょっと予想してた。
野良ククリ師が夫婦をくくったって話から想像できるのが義純夫妻だけだったので、えなこが真珠の一部と凶器隠したんだろうなってのも黒緒のバッグ発言から予想。でも凶器無理じゃね?とは思ってたけどそこはまあ。
予想できたのはそこ二つだけ。
その他、絶対に無理って状況から段々とこれなら…という方向に事件が開けていくのが良かった。
えみりこちゃんの、幽霊がやったんか?ぐらい無理な状況だったけど睡眠薬で隣に寝てた母親が気づかないって方法かー、とか屋敷の鍵のすり替えとか。
あと救急車の音とか。
あるはずのものが無いって証明の仕方かっこいいなー。

陰湿で皮肉の効いたミステリー。
あの屋敷の人間は老若男女問わず終わっているので事件が解決したところでって気もするけど、メインキャラクターは皆魅力的だった。
黒緒が死んだふりするとことか好き。
今考えれば五木が黒緒を好きなのは死体だからってのもあるのか。

事件が進みながら白夜と黒緒の過去に触れていくのも良かった。
黒緒の優しさ。死体は物なんですよって強く言ったり、白夜が自分達を同じ人間扱いするのを嗜めてた意味が反転して切ない。

『ああいう意味だったんだ』と後から納得する伏線がたくさんあって面白かった。

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2024年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「二度殺される」という言葉から一度目は肉体的な死、二度目は世界から忘れられる存在的な死のことかと思ったが違った。正に彼女は二度殺された。個人的には“殺された”というより“壊された”の方がしっくりくる。
何より驚いたのは“彼”のことを指していたと思われる説明が全て“彼女”のことを指していたと分かった後半部分。帯に書かれた「死体はあくまでもの」という台詞を“彼女”が口にするのは何とも皮肉。
ミステリーと聞けば謎解きは犯人探しくらいのものだが、この作品に関しては犯人探しと主人公達自身の謎解きもある。
ひとつの作品で2つの謎を楽しめる、確かにこのミステリーはすごいと感じた。

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2023年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死体を蘇らせる傀々裡師と動く死体式鬼がペアで活動する。
彼女が二度殺されるという謎解きも面白かったが、傀々裡師のあり方と九十九黒緒と一白夜の双子の愛憎の方が興味深く、その後の関係も気になった。

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2022年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに惹かれて思わず衝動買いしてしまった本です。

とても面白かった!まず、死者を一時的に生き返らせることが出来る設定だと、なんでもありになってしまって無理なのでは?と思いました。でもその設定をいい感じに使い倒して、とても面白いミステリ小説として仕上がっていました。

トリックは最後まで全然分からなかったですが、犯人が生き返させることまで計算に入れてしていたとは驚きでした。そして、なんと言っても〝黒が生きていける理由〟には驚きました。少しだけパラパラと戻ったのですが、確かに書いてない。ミスリードにまんまと引っかかってしました。

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2022年04月10日

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