あらすじ
◎不確実性が高く、過去の成功例や全員が賛同する意見が通用しない「正解がない時代」で必要なのは「自分の頭で考え、実行する力」である。しかし、学校で教えられるのは「決められた答え」を求める方法。社会人になり「自分の頭で考えろ」と言われても、何をどうすればいいのか分からない人が大半だ。
◎一方、先の見えない未来に向け、自分で意思決定し、リスクを取って事業を成長させている「起業家」に対する注目度は高まっている。
◎言われたことを正確にこなす、生産性の高い人材よりも、「自分の頭で考え、実行できる人材」が求められる今、一般のビジネスパーソンも「起業家の思考法」から学ぶ必要がある。
◎著者の平尾丈氏は、リクルートに入社し一般のビジネスパーソンを経験した後、株式会社じげんの社長として、30歳でマザーズ、35歳で東証一部上場、12期連続増収増益を成し遂げた気鋭の起業家だ。
◎その成功の秘訣は「他の人ではたどり着けない、自分の頭で考え答えをだす力=別解力」。「自分らしく」「優秀で」「別の」やり方を考え抜くことで、他人の「優等生案」を抜き去り、成果を出すことができる。
◎本書では「別解力」で圧倒的な成果を生む、起業家の問題発見・解決・実践の技法を紹介。「発見力」「別解力」「実現力」「失敗力」「成長力」に分け、著者のエピソードや習慣と共に、思考法を伝える。
◎著者の考えた「別解力」という概念・フレームは汎用性が高く、起業家・ベンチャー業界では好評を得ている。
◎正解がない時代のビジネスパーソン必読の1冊!
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Posted by ブクログ
起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法
・現代は変化が激しく不確実性が高い「正解がない時代」と言われます。
・一方で、正解がない時代に圧倒的成果を上げているのが「起業家」です。
・自分の頭で考え、意思決定し、リスクを負って仕事をする。起業家達は、不確実性が高い時代のビジネスパーソンの先頭に立っています。
■起業家の思考法は次の「五つの力」で成り立っています
・1.発見力:目標を達成するために解くべき問題を「発見」する力。
・2.別解力:「自分らしく」「優れた」「別の」やり方を組み合わせ、他の誰も思いつかない「別解」を生む力 。
・3.実現力:別解を絵に描いた餅に終わらせず「実現」する力。
・4.失敗力:「失敗」を最小限に抑え、糧にする力。
・5.成長力:ビジネスパーソンとして自らを鍛え「成長」し続ける力。
・この中で最も重要なのは、2の別解力です。課題に対し、「他の人が思いつく方法=(正解)」を仮定した上で、それを上回る「自分だけの打ち手(=別解)」を考える力。まさに、現代のビジネスパーソンに求められる能力です。
・別解力を核とした起業家の思考法は、過去の効率や生産性重視のフレームワークによって生み出される無味乾燥な問題解決の方法ではありません。楽しみながら自分の頭で思考し、行動し、習慣化することで成果が上がる思考法です。
■正解ではなく、別解を目指せ 正解にはもはや価値がない
・これからは「誰もが思いつく実現可能な選択肢」を選んでいるだけでは、人が無価値になる時代がやってきます。
・誰もやらないような、より創造的な打ち手を繰り出さなければ、勝負にならなくなっていきます。
・これからの世の中は、正解を出すことに頭を使うのではなく、自分の答えを考えるために頭を使うことが求められます。つまり、自分の答えを正解にする力が強い人、問いを発見する力が強い人、誰も思いつかないような他の方法論を考える力の強い人が生き残る世界です。
・しかし、仕事はできるのに、問いを立てられない人が増えているのです。
■問題を自分で見つけ、自分なりの答えを生み出し、検証する力が必要である
・イノベーションは多様性から生まれます。みんなが同じことをやっても絶対に進化はしません。それぞれが個々の観点に基づいて問題を発見し、答えを考えた方が突然変異が生まれる確率ははるかに高くなります。つまりイノベーションは別解から生まれるわけです。
・常識を打ち破る別解で課題を突破し、圧倒的な成果を出す必要があります。
■起業家の思考法の中心は別解力にある
・別解力とは、自分で問題や課題を発見し、その答えのない問いに対して自分の持っている知識や経験を活用して、自分なりの答え(=別解)を見出していく力です。
・別解は三つの要素の組み合わせから成り立っています。順に「自分らしいやり方」「優れたやり方」「別のやり方」です。
・自分らしいやり方とは、自分の経験、治験、強み、夢中になれること、価値観などを反映した自分ならではのやり方です。
・優れたやり方とは、大きい、多い、早い、安い、高いなど、世の中に受け入れられるやり方です。
・別のやり方とは、優れたやり方の正反対をやってみる、自分の強みや価値観を無視してみるなど、固定観念を脱するやり方です。
・これら三つの力の全てを満たす部分が別解に相当します。三つの要素を全て組み合わせた時、はじめて別解が生まれ、他の人には真似のできない圧倒的な成果が生まれるのです。
■問題発見の基本的な方法論を抑える
・1.問題を正しく「定義」する
・2.問題を正しく「発見」する
・3.問題を解決するために「いつまでに、何を、どのような順番で行うか」を決める
・4.そこにはどのような「障壁」が存在するか把握する
・5.最終的に、どのような「状態」を目指さなければならないか明らかにする
・最低限この5つの段階をクリアにしなければなりません。
■別のやり方を引き出す31のヒント
【変える】
・1.要素に分解して、一部を変える
・2.パラメーターに分解して、一部を変える
・3.時間軸を変える
・4.場所を変える
・5.値段を変える
・6.集客や販売チャネルを変える
・7.登場人物を変える
・8.業態を変える
・9.濃度を変える
・10.原材料を変える
【探す】
・11.お金を払ってでも欲しいものを探す
・12.いらないものを探す
・13.強い部分と弱い部分を探す
・14.特化して価値が出るものを探す
・15.タイムマシンを探す
・16.定数より変数を探す
・17.法改正を探す
・18.新しいテクノロジーを探す
・19.臨界点を超えたり、特定の状況になったりすると価値が出るものを探す
・20.複利になるものを探す
・21.LTVで戦えるものを探す
・22.マイナスが低いものを探す
【考える】
・23.反対(Not A)で考える
・24.規模の違うもので考える=相似形
・25.哲学的に考える
・26.仮定法で考える
・27.未来はどうなるかを考える
・28.みんなが嫌がりそうなことを考える
・29.アイディアを結合して考える
・30.古い概念をアップデートして考える
・31.他に転用できるものはないか考える
Posted by ブクログ
ある著名なキャピタリストが推奨しているのをきっかけに手に取った一冊。
メモ
・起業家の思考法5つ
発見力
別解力
実現力
失敗力
成長力
・別解力は他の人が思いつく方法を仮定した上でそれを上回る打ち手を考える力
・別解力の三要素
自分らしさ、優れたやり方、別のやり方
・問題の定義、発見、順序決定、障壁認識、目指す状態設定
・他の人が入り込んでいない優れたマイノリティになることに価値がある
・問題は噛み砕けるだけ噛み砕くこと
・誰かに評価してもらえたり、客観的な結果が出る機会を体験しなければいつまでも自分らしさは把握できない
・まずは自分らしい優れたやり方から。次のステップに行くときに別のやり方を掛け算していく。
・アイデアは方法や組み合わせを変えることによって紡ぎ出せる。ゼロから発想するものではない。
・仮想失敗 本当に失敗する前に。どう進んだらどう失敗するか。想定される失敗はなにか
・失敗リストをつくる。事前に。そして実際のものを加えていく。正解は再現性低いが、失敗は再現性高い
・3ヶ月前にもどれたら。に即答できるか
・人は頭の中では何かをやりたがっている。動かないのは最後の一押しが響いてない。ビジョンだけでなく、実現可能性を磨くこと