【感想・ネタバレ】イケズな東京 150年の良い遺産、ダメな遺産のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年02月27日

建築家と建築史の教授による有意義な対談。コロナ禍だからこその知見が素晴らしい。

建築イコール文明なのだろう。歴史から始まり話題は縦横無尽。得るところの多い1冊。悪名高い首都高の景観を逆に評価する視点や、建築物の建て替えの多い日本だからこそ建築家が育つという指摘など、実に興味深い。

文化、文明論と...続きを読むして面白い対談であった。

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Posted by ブクログ 2022年08月20日

建築家・京都市美術館館長の青木淳と国際日本文化研究センター所長の井上章一による東京に対する思い。





コロナウイルスまん延により、オフィスワークの中で、リモートワークが推奨されるようになった。中には都内のオフィス契約を解約して地方に移転する企業も出てきた。




リモートで仕事できるなら都内...続きを読むにこだわる必要はないし、社員も自分の好きなところで仕事できるからいいだろう。





しかし、井上は「東京ばなれ」を疑っている。都内にオフィスを構えることのできる会社だと見栄をはれるので、そう簡単になくならないと指摘している。





明治維新によって新たな建物が作られたことに注目している。それは、三井は東京の兜町に5階建ての施設、海運橋三井組ハウスを1872年に建てた。




井上はビルの形に注目している。1階と2階は、西洋建築の形だが、3階から5回を見ると天守閣をまねたような塔屋がおかれていたと述べている。




江戸時代なら許されなかった高さでありデザインだが、新政府に認めさせている。




三井が江戸幕府から新政府に味方して軍資金を提供したことが大きかった。三井の呼びかけに応じた豪商たちのおかげで討幕軍は江戸まで行けた。






レガシーになる建築、ならない建築の中で、建築家・黒川紀章が設計の中銀(なかぎん)カプセルタワーを取り上げている。










こちらは今年の1月に現地で撮った写真。















カプセルが特徴のビルだが、カプセルはシャフトにボルトでとめられていたので、居住者が自分の都合でこれ取り外して、どこかに持っていくこともできた。まさかの部屋外しの術だ。




しかし、実際にそうした人はいなかった。作業をするのには人や重機もいるし、そもそも行政が銀座8丁目で許可するか疑問だとも述べている。





目的が変わると使えなくなってしまうと評している。




とは言っても、ビルに永遠の命を吹き込んだわけでないので、今まで存在することは黒川にとって想定外の出来事かもしれない。





建築からいろいろなことが見えてくるなあ。

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Posted by ブクログ 2022年02月08日

「京都ぎらい」やTVで有名な建築史家・井上章一さんと建築家・青木淳さんの対談形式による東京と京都の都市論。コロナ禍の風景を通して人々の生活と都市のあり方が論じられている。リレー・エッセイ形式の部分はタイトルから想像するよりもかなり真面目な話が多いが、リアルに行われた対談の内容はおもしろい。両氏の鋭い...続きを読む視点を通して街の見方にあらたな気づきが得られる。

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