【感想・ネタバレ】「経済学」にだまされるな! 人間らしい暮らしを取り戻す10の原則のレビュー

あらすじ

フランスで5万部を売り上げた、「怒れる経済学者」警世の書

「経済学は科学ではない」、なぜなら、ノーベル経済学賞を受賞した二人の経済学者が、まったく同じデータから正反対の結論を導き出しているからだ――。政策決定を理論づける主流派の経済学者は、疑い得ないものとして経済の「常識」を提示するが、それは特定の時代の特定の階層に利する「歪んだルール」に過ぎないことを、著者は確かな論拠と具体的な数字で明らかにする。新自由主義者たちが声高に主張する「常識」を疑い、より良い社会に向けて議論するための『足場』をつくる一冊。

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Posted by ブクログ

新自由主義の経済学は、巨大なウソの体系だ。現在「主流派」の経済学者が“常識”とする思想を、フランスの「怒れる経済学者」が徹底検証する書籍。

経済学は、客観的事実を実験と分析で立証する“科学”ではない。同じ状況を分析しても、立場や関心によって解釈の違いが生じる。

経済には、いくつもの選択肢や未来がありうる。従って、政治家が「他に選択肢はない」と言い、絶対的真実として示す事柄でも再検討し、代案を要求すべきだ。そして「それが誰に利益をもたらすか?」を絶えず自問しなければならない。

新自由主義の経済学者らは、「労働市場を柔軟にした国は繁栄を維持している」と主張する。
だが現実には、大企業が利益を増やす一方、失業は減らず、貧困層の境遇は改善されていない。労働市場の柔軟性と失業の程度との間につながりはない。

政治家は、公的債務の脅威を緊縮政策の根拠として強調する。
しかし、資産を考慮に入れず、債務だけを問題にするのは愚かである。また、国の債務を家計の借金にたとえるのは馬鹿げている。人は死ぬが、国は死なないからだ。

地球温暖化への効果的な取り組みは、再生可能エネルギーの開発など、国による意欲的な介入政策だ。だが、助成金など、活動を促すだけの措置にとどまっている。それは温暖化対策に正面から取り組むと、大企業や銀行の利益を損なうからだ。

成功者の伝記などは、成功の原因を起業家精神など、個人の資質だとする。
しかし、実際には、個人の成功は、国の政策や制度などに左右される。公的な研究と投資―起業家たちが嫌悪する税金で、彼らの繁栄は支えられているのである。

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2023年06月08日

Posted by ブクログ

作者はフランス人なので、内容は欧州に偏っているのは致し方ない。
あと、常識を疑えって本なので、批判ばかりではある。
それを差し引いてもまぁまぁ面白かった。

公的支出を減らしても公的債務は減らない、あたりはなかなかなご指摘。

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

自由主義を100%信じない、フランスは債務ではなく資産が多いなど楽観的、悲観的双方の理論がわかります。

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2022年02月09日

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