あらすじ
雇い止めや学校の一斉休校、家庭内トラブルの増加。
コロナ禍で一層、シングルマザーの生活困難が深刻になっている。
「早く子育てから解放され、自分の人生を謳歌したい」。
だが、将来を夢見て耐え忍ぶ彼女たちを待つのは、一層苛酷な現実だった……。
子どもを何とか自立させたものの、雇用や社会保障から見放された双肩には老親の介護がのしかかる。
調停マニアの前夫と戦う女性やセックスワーカーなど、国から見放された女性たちの痛切な叫びに耳を傾け、制度の不作為を告発するルポルタージュ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
パラパラと目次をめくる段階で、すでに胸が痛くなる。
著者の黒川祥子さん自身もシングルマザーである。その実体験を『はじめに』で
『虚空にたった一人、苦しさで胸をかきむしりながら、のたうち回る。』と、語っている。
・シングルマザーのリアルな経験談とコロナ禍の現在の実情
・「女性の貧困元年」とは?
・「日本型福祉社会」
・80年代の"幻想"のツケとは
・先進国で最低、日本の女子教育
・フランスと韓国の場合
・なぜ日本のシングルマザーは貧困なのか
・どうすれば貧困の連作を止めることができるのか
等々、
こんなに厳しい現状だったのか・・・本当に・・・知らなかった、知りたくなかった、と想う内容だった。
この日本で、シングルで、仕事・子育て・自分自身のケア・老後の備えまで、できるはずがない。
それでも、生きて行かなければ!
『生きる糧としていた「憎悪」を手放したのも、、その頃だ。自分が被害者でいる限り、わたし自身の人生を歩めない。むしろ毎月、きちんと養育費を入れてくれることに感謝して生きていこうと決めた。』(後に、養育費は途絶えるのだが。)
これは、著者自身の体験の一文。
シングルマザーにまつわる法的なこと、現状や問題点など様々、学ぶことは多かった・・・しかし、一番心に残ったのはこの文章だった。
今、わたしはコロナ禍でお困りの子育てママさんに小さな小さなボランティアをしている。
読んで、改めて、微力だけど出来ることはある、喜んでやっていこうと想った。
Posted by ブクログ
「誕生日を知らない女の子」が良書だったのでこちらも読んでみた。著者自身もシングルマザーであるとは知らなかった。半分は貧困などに苦しむシングルマザーのインタビュー、もう半分は有識者へのインタビューで構成されていた。
シングルマザーが大変なのは単にワンオペや働き手が一人になることだけだと思っていたので、知らなかった内容が多く衝撃だった。日本は配偶者控除をなど専業主婦を優遇する制度は多くあるが、総合職に就けないシングル女性に対する制度が厳しいという。その上、シングルマザーに関しては、死別と離婚の場合で補助金の額が全く違い、先進国でそのような差別をする国は他にはないらしい。
フランスや韓国の例も詳しく書かれており、これらの国では離婚したシングルマザーでも暮らしやすい制度が整っているそう。日本ではシングルマザーという響きに「大変そう」というイメージが強くあるが、それは国の制度の問題だった、というのは目から鱗だった。
登場するシングルマザーたちのこれまでの人生を聞くと、これ貧困を免れるのはどうやったって無理じゃない?という絶望的な気持ちになった。著者も、貧困はあなたのせいではなく国せい、ということをしきりに訴えており、ぜひ高市首相に読んでもらいたい一冊、、と思った。
ラストに、貧困女子はこれまで問題視されてきたが、高齢女性の貧困はあまり問題視されていない、とあり、確かに、と思った。そういう意味でも貴重なノンフィクション。