【感想・ネタバレ】史伝 北条義時 ~武家政権を確立した権力者の実像~のレビュー

あらすじ

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」必携の書。

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時(演・小栗旬)の生涯に迫る一冊。著者は、現在、もっとも北条義時に肉薄していると評価される新進気鋭の研究者。姉・北条政子と源頼朝の結婚、頼朝の挙兵、平家との戦い、武家政権の成立、将軍代替わりを契機とする政権内の権力闘争、将軍暗殺、承久の乱・・・・など大河ドラマのストーリーをより深く理解し、楽しめる構成。新史料を元に初期鎌倉時代政治史のミッシングリンクを解明し、『吾妻鏡』以外の公家史料も駆使して、なぜ北条氏が執権として権力掌握に成功したのか、その真相にも迫る。さらに著者の勤務先(鎌倉歴史文化交流館)が鎌倉という「地の利」を活かして考古学の成果も活用。カラー写真・図版満載で、鎌倉散策のお供にもなる書に仕上がりました。読みやすくわかりやすい文章ながら、内容は深い。

※この作品はカラーが含まれます。

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Posted by ブクログ

大河ドラマの副読本として活用。
北条義時の史伝としてだけでなく、同時代の事象も目配せがされており、平易で読みやすい。
吾妻鏡や愚管抄など現存資料が少ない分、説が分かれる事実も多々あるが、両論併記の上で自説が述べられているのも好感がもてる。
大河ではこの説を取ったというのかという事が後で判るのもありがたい。
時代によって北条義時がどのように評価されていたのかも有用。
この時代を深く知るのにも役立つ汎用性の高い一冊である。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

史料に基づきつつ最新の研究成果を取り入れた良書。2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を観る上でも非常に参考になる。著者の山本みなみ氏は、中世の政治史、女性史、とくに鎌倉幕府や北条氏が専門とのことであり、その辺の目配りも良い。副題にー武家政権を確立した権力者の実像ーとあるように、どちらかというとなかなかイメージをしにくい北条義時について、なぜイメージされにくいかも含めて説得的に描かれているように思う。カラー図版も豊富で読みやすかった。

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2022年04月03日

Posted by ブクログ

専門家は別にして一般の方はこの本一冊で北条義時のことがわかります。かなり読みごたえがあります。著者山本みなみさんにとっても初めての本らしいです。

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2022年03月05日

Posted by ブクログ

様々な史料批判を踏まえ、北条義時の実像を辿る一冊。特に頼朝死後の様々な事件について、多角的な史料検証を踏まえた考察は興味深い点が多かった。後代の研究史における義時像の変遷を追った終章も面白い。

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2022年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山本みなみ『史伝 北条義時』
本書は、鎌倉時代像を最も丁寧に補強・深化させてくれる著作の一つである。山本先生は博士論文の蓄積を基に、頼朝期の北条氏を「伊豆在地の中堅在庁官人層」と位置づけ、その権勢をあえて低めに設定する。挙兵時の三浦氏・北条氏の役割も「非常時支援者」程度に留め、頼朝が平家への不満分子を吸収し、地方蜂起の連鎖の中で鎌倉に非合法の自治組織を形成していく過程を、単なる英雄譚ではなく在地力学として丁寧に分析している。頼家期では、比企家の相対的優位と北条家の出遅れを明確に示した上で、比企能員の変を「北条側の危機感からの巻き返し」と整理する。源氏将軍の求心力低下と有力御家人の仲間うちの争いを、過渡期における必然的な修正過程として説明する点も説得力がある。実朝期になると、実朝の京都志向(朝廷・文化との良好な関係構築)と並行して、義時が鎌倉の在地運営と軍事掌握を着実に固めていく過程が詳述される。義時が鎌倉中枢を、時房が在京・六波羅を担う兄弟分業も、「幕府の二元性を支える必然的戦略」として位置づけられている。『吾妻鏡』の北条美化を剥がしつつも、政子が「鎌倉体制の維持には北条(義時)の台頭が必要」と判断して連携した現実的な政治力学も丁寧に描かれる。結果として、頼朝の「緊急避難的連合」→頼家期の仲間うち争いによる崩壊→実朝期の京都・鎌倉並立体制という流れを、吾妻鏡以外の史料も活用しながら追体験できる。山本先生は義時を「策謀の天才」でも「凡庸な権力者」でもなく、在地中堅出自の現実主義者が、情勢の綻びを縫うようにして武家政権を形作った人物として描く。読み終えると、「頼朝の緊急避難的連合 → 淘汰と再編 → 北条の現実的掌握」という物語が、より鮮明に立体的に浮かび上がる。源氏の英雄譚ではなく、在地武士団の生存戦略と権力再編の歴史として鎌倉時代を味わいたい人に、強くおすすめしたい一冊である。

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2026年05月08日

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