あらすじ
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地球は誕生してから46億年の歴史を持つ。その長い歴史の中で、日本列島が形成されはじめたのは、現在から約1500万年前以降である。地形学・地質学は、そのような大陸移動・生命の進化・日本列島の誕生など、とてもスケールの大きなストーリーを解明する魅力的な学問だ。地層や岩石には、これまで地球上で起こったあらゆる現象が記録されているので、結果的に「地球の歴史」つまり「過去の災害の歴史」を知ることができる。本書の第1部では、日本列島の成り立ちから、なぜ地震や地すべりなどの自然災害が多いのかを解説。第2部では47都道府県のとある地域について、特徴的な地形・地質や大地の成り立ちの歴史に迫る。地域の成り立ちを見ていくと、災害と向き合ってきた逞しい日本人の姿が見えてくる。「地形・地質の知識をもとに、大地の歴史を楽しみながら、いつの間にか自然災害にも詳しくなる」――まさに大人の教養として、いま読むべき一冊だ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
地質学の視点から47都道府県の特異な地形を推察する。数万年の長いスパンから見た災害大国日本。
決して災害があるからそこに住むなと言うのではない。古来から災害と共存してきた日本。多くの地滑り地形。地質学の観点から地形を見ると過去の地滑りや地震が明らかとなる。
正しく地形を見て正しく災害に対処するための起点となる貴重な視点の一冊。
Posted by ブクログ
体系的な知識を提供してくれるというよりは、大前提の知識と各都道府県にある特徴的な地形を紹介という構成だった。
有名・無名関わらずこんなでき方をした地形があるのかと興味深く読めるのだが、図が多すぎて今どこの話をしているのかよく迷子になってしまう。
地形や地質については何がおもしろいの?という疑問が起きがちだが、そのおもしろさの一端をを教えてくれる本だった。
Posted by ブクログ
学生の時は地理が苦手だったこともあり、基本的なことしか知らない状態で読み始めました。あらためて日本の地形を知ると、本当にすごいところに住んでいるんだなと感じざるを得ませんでした笑ただ、その中で昔の人がどのように土地を活用し、災害に負けずに暮らしてきたかや地形地図を俯瞰して見るカタチのおもしろさなど様々なことに気づくことができました。47都道府県それぞれの地形にクローズアップして解説してあるので、自分の地元についても知ることができたし、これから旅行に行く際に見たいと思うところも増えました。そしてこれから起こるかも知れない災害について今一度気を引き締め、学んでいかなくてはいけないと感じました。
Posted by ブクログ
昨日から北京オリンピックが始まったので、「ブラタモリ」はしばらくお休みだ。そうでなくてもこの時期は、あまり放送していないような気がする。
復習あるいは予習ではないが、日本列島の地形と地質について知っておいて困らないので、今回の本を読んでみた。
「ひとまず人間の時間間隔を捨ててみる」に驚いた。災害が起こらないところで起こったとき、反応としては「まさかという名の坂」があったとビックリする。
しかし、地球は人類が存在する前からあり、数十年何も起きていないからと言って安全とは言い切れない。
以前、著者が仕事で担当した地すべり調査では、約5000年前の縄文時代も地すべりを起こした事例があった。
つい短いスパンで時間を見てしまうので落とし穴だな。
地形・地質でふるさとを知るで、北海道から沖縄までを取り上げている。
「カルデラ」というと熊本県の阿蘇が浮かんでくるが、群馬県にもあった。神社があることで有名な妙義山は、約600万〜500万年前に噴火した火山のようだという研究の結果が出ている。
複数の火口があり、火山の多くは陸上だったと考えられる。火山活動の途中で地下にできた空洞によって陥没した。陥没によって、切り立った崖や尖ったやせ尾根ができたのだろうと著者は見ている。
静岡県にはせき止められた過去がある?で、南西部地域を取り上げている。長年の地すべりで地質が弱くなったところに、大雨が降り流動したと考えている。
過去には川が流れていた痕跡がある。著者は地すべりが川をせき止めたという仮説を立てている。
現在では、川勝がリニア中央新幹線の建設をせき止めているなあ。自然現象ではないが。
地形や地質は、今でも重要な役割を果たしているなあ。