あらすじ
一九四四年一月,アウシュヴィッツに送られた少女は,壮絶な日々の末に生きのびる.戦後,長い沈黙を経て,三〇年にわたり自らの体験を語り続けた.九〇歳を迎え,活動に幕を下ろした年に行った最後の証言を,インタビューとともに収録.そこには差別,憎悪,分断がはびこる現代への警告と,未来への一筋の希望が見える.
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Posted by ブクログ
「無関心は暴力そのもの以上に暴力的であり、世の中を動かす力がある」
本書は、あのアウシュヴィッツ強制収容所を生き延びたユダヤ系イタリア人のリリアナ・セグレさんが90歳の時に、イタリア、トスカーナ州にある「平和の砦」において語られた「ラストメッセージ」を日本語に訳したものです
冒頭の言葉は、セグレさんの言葉です
ホロコーストに纏わる書籍は数多くあるが、やはり実際にそれを体験した人の言葉は重みが違うと思いました
特に印象に残ったのは、フィクションの中で語られる奇跡のような助け合いや友情は存在し得なかったと断言しているところです
収容所で全てを失った人たちが、明日殺されるかもしれない人と友情を築くことは、失うモノを作る行為だったのです
えぐられる
何ができるわけじゃないけど、これからも読書を通じて、関心を持って勉強していきたいなぁと思いました
そしてなんか差別が生まれそうなときに、見て見ぬふりをするのではなく、わーわー言う人でいたいと思いました
わーわーてなんやねん
Posted by ブクログ
アウシュビッツは義務教育での社会でも習うほど有名である。その悲惨さも知る人の方が日本人でも多いが、それだからこそ気づかない部分も多く、自分はまだまだアウシュビッツについて不完全な知識しかないのだと実感した。この本は生きる上でも歴史を知る上でもとても大切な事を教えてもらえる一冊だ。
Posted by ブクログ
むごすぎる。
人間が、人間に対してこんなこと出来るんか。と、改めて思う。
戦争中はきっと、こんな事がいっぱいあったんやろうと思うけども、酷すぎる。
軍医も、名前変えて生き延びるとかありえない。
リリアナさんが仰ってた、無関心が1番ダメなこと。
本当にその通りなんだと思う。
もっと、色んなことに関心をもって学んで、考えて生きていかないと、また同じことが繰り返されてしまう。
平和の砦についても、それこそ、食についてもとても勉強になった。
とても、とても、色んな事を学ばせてもらい考えさせて頂けた本やった。
Posted by ブクログ
13歳だったセグレさんは、アウシュビッツとその後の死の行進を生き延びた。そして、90歳になるまで、その体験を語り続けた。しかし、90歳になったのを期に、語り部をやめることにした。その最後の語り部の日本語訳。
私たちが映画などで見るアウシュビッツと、現実のアウシュビッツの違いや、それでも生き延びようとしたセグレさん。心に迫るものがあった。