あらすじ
GAFAやBATHに対抗する日本の軸は、NTT以外にない。技術力・資金力・人材力で圧倒的なNTT。2022年1月に発足する新生NTTドコモなど、グループ再結集の動きが加速している。光電融合技術「IOWN」をカギとした、ゲームチェンジに向けた経営大改革を徹底検証する。
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Posted by ブクログ
内容が非常に濃く、自分の生前から現在に至るまでのNTTの動向と今後の戦略を記載していて読み応えある。
技術用語も多く、理解までに数回の読書は必要だろうが、今後の6Gの基盤となる技術に日本が参画していくストーリーなど今後の日本企業の活躍を想起させてくれるワクワクさせてくれる一冊であった。
Posted by ブクログ
2023,13 部門長より借用
NTTのグループ再編や海外事業等、色々社内の動きを勉強できた
2030年へ向けたIWON構想や海外のGAFA、BATHの動きについても記載あり。
自分の目の前の仕事のことで精一杯になるので、たまには会社全体の経営方針や戦略を見るのも大事だなぁと感じた
Posted by ブクログ
NTTを通してGAFAやBATH等の世界を席巻している企業に挑戦していく勢いを感じることができた。
仕事で関わることが増えてきて、基礎的知識や今後の体制を包括的にインプットできる良い内容。
今までの次世代ネットワークのようにガラパゴス化せずに是非世界に影響を与えていってほしい
Posted by ブクログ
【概要】
世界の通信市場がGAFAの勢いに取り込まれる中、日本の情報通信産業としての目指すべき姿を、国内市場を牽引するNTTグループの次世代への取り組みを通じて考える
【内容】
NTT改革の柱
①グローバル経営の強化
②法人営業を中心とするグループ企業の再編
③インターネットの先を行く新しい光情報通信基盤の構築
④エネルギーやスマートシティなど事業の多角化
⑤リモート型経営
1.再び世界ナンバーワンを目指す
・ahamoの登場
(背景)
競合への顧客流出/政府からの価格への圧力
(影響)
販売代理店ビジネスの変容/収益源の多様化
・ナンバーワンへのシナリオ
(背景)
NTTの海外展開への遅れ/GAFAの台頭
(方向性)
IOWN構想による海外戦略の強化
(内容)
インターネットに変わる高速で信頼性の高いネットワークの構築
ユースケース作り(スマートシティ/スマートファクトリー/エンタメ)
2025年第1次成長期創出 2030年普及期
B2B2X
・グローバル戦略
NTTインク創設/NTTリミテッド/NTTデータ
[ワンNTT]によるシナジー追及と世界市場における認知度向上
・宇宙データセンター
(宇宙ビジネスの状況)
ソフトバンクやKDDIも参入/6G時代における重要インフラ
(NTTの宇宙ビジネスプロジェクト)
①宇宙センシング②宇宙RAN③宇宙データセンター
2.進むグループ再結集
・ドコモ・コム・コム連合の誕生
(3社のビジネス)
ドコモ→移動通信サービス/個人
コミュ→固定通信回線/法人
コムウェア→ソフト開発/NTTグループ
(NTTの目指すDX事業)
SDPF:安心安全に使えるデータ利活用基盤
(連携の効果)
SDPFを核としたDX事業の推進/グループ内でのデータの利活用
・世界の研究所を再編
(背景)
通信事業者の技術開発を通信機器メーカーに依存する企業が増える
これを通信事業者の手に取り戻す戦略
(NTTリサーチ)
光の量子コンピューター/暗号ブロックチェーン/医療情報分野
・NEC、富士通と
(NEC背景)
世界市場で勝つためにメーカーとキャリアが一緒に通信技術を開発する必要性
オープンRANの普及促進活動
(富士通背景)
IOWN構想を進めるための半導体の開発
(展望)
光電融合技術を基地局に導入することでIOWN構想の中に世界のRAN市場を取り込んでいく
・三菱商事、トヨタと
(三菱商事背景)
次世代モビリティやスマートシティ実現のためのデジタル地図の必要性/物流DXの推進/再生可能エネルギー事業
(トヨタ背景)
HW主体ビジネスからSW主体へのビジネスモデル転換
(展望)
GAFAへの対抗
3.新事業でチャレンジ精神鍛える
・ローカル5G
(現状)
NTT東西、コミュが積極的に実証実験
(課題)
グループ各社がそれぞれローカル5Gを進めていくことへの非効率性
・再生可能エネルギー
(行動計画)
①継続的な省エネの取り組み
②IOWNの導入による電力消費量の削減
③再生可能エネルギーの導入拡大
・ドローン市場
(背景)
地方創生
(展望)
国産ドローンメーカーとしての最大手
世界進出/農業のスマート化/インフラ点検
・農業DX
(背景)
日本の農業経営事業者が半減/NTTアグリテクノロジー
(展望)
ICT活用による稼げる農業の実現
(課題)
グループ各社のビジネス統合/効率性
・スポーツ
(NTT東日本の取り組み)
eスポーツが法律や認識のギャップにより日本での普及が世界的に遅れている
→5G活用によるeスポーツ映像配信/地域活性化
(NTT西日本の取り組み)
リアルスポーツの映像配信
・不動産
(背景)
NTTグループが保有する公共性の高い土地や資産を活用
(展望)
不動産の利活用/スマートシティ事業
4.デジタル技術で経営改革
・リモート型社会
(展望)
30万人を超える社員を抱える組織での巨大な実験
ノウハウやサービスを新しい商品として外販
人口減少・地域分散・少子化問題など様々な社会課題をデジタル技術で解決
・新たな人事制度
(背景)
リモートワークの浸透による働き方の変化/自主性や成績評価の困難性
グローバル化によりメンバーシップ型の課題が浮彫
(取り組み)
ジョブ型雇用/中途採用の強化/女性管理者倍増計画
・セキュリティ
(背景)
リモートワーク/ゼロトラスト/ペーパーレス
エッセンシャルワーカーの作業のデジタル化
(実績)
NTTセキュリティの設立/東京オリンピックにおけるサイバー攻撃防御
5.NTTの未来占う情報通信政策
・NTT分割民営化の是非
(これまでの歴史)
1985年 民営化
1987年 NTT東西分割 コミュニケーションズ新設
1988年 NTTデータ
1992年 NTTドコモ
2021年 ドコモ完全子会社化
・デジタル庁発足
(官公庁向けシステムベンダー)
4社で調達額の6割
(今後の展開)
自治体を含めた提案/クラウド
・5G成功を左右する電波行政
・GAFA先行許した情報通信政策
(日本政府の背景)
情報通信産業の所轄が総務省と経産省に二分/民間企業の縦割り
(今後の展望)
省庁横断的な情報通信政策/様々な分野で出ずたるかを促す政策を推進し
GAFAに負けない日本の情報通信産業の姿を構築
・デジタル化で変化する代理店施策
(展望)
地域の情報サービスステーションという役割/エリアドミナント
6.2030年のグローバル情報通信市場
・日本市場に攻勢かける米IT大手
(MEC)
5G時代に必須なエッジコンピューティング/GAFA参入・高い親和性
(NTTの展望)
ドコモオープンイノベーションクラウド/宇宙データセンター構想
・世界規模で広がるGAFA包囲網
(規制)
個人情報保護、独占禁止法、デジタル課税
(NTTの展望)
データを所有しないという個人情報に対する異なったアプローチ/ラスベガスでの
スマートシティ構築
・情報通信市場を揺るがす米中対立
(中国の状況)
AI産業の発展計画/5G/IoTなど「中国製造2025」
(アメリカの対応)
ハイテク企業を対象とした制裁
(NTTの展望)
オープンRANの推進/5G・6G
・6G・IOWNで実現する新サービス
(5Gの状況)
中国に大きな後れを取る/産業分野を強化/AR・VR
(6G技術とは)
オールフォトニクスネットワーク/宇宙通信の活用/IOWNとの高い親和性
・2030年NTTグループの未来像
(背景)
強みとしていた光ファイバー技術がコモディティ化/B2B2Xモデル
(現在の戦略)
IOWN/グローバル戦略/法人開拓
(2030年の戦略)
IOWNの国際競争力強化/ワンNTTによる総合力の発揮
【感想】
学生時代から日常生活のインフラとしてSNSなどGAFAの産物を使ってきた私にとって、かつての日本の情報通信産業が海外企業をも席巻していたとは想像ができない。日本には次世代の生活を変える確固たる技術力があっても、流れを読めず遅れをとってしまったり世界市場から受け入れられないという現実があり、日本企業が再び世界市場で戦っていくためには企業間や自治体・政府を巻き込んだエコシステムの構築が必須であるということが分かった。
Posted by ブクログ
GAFAにすっかり駆逐されて、見る影もなくなってしまった日本のIT企業ですが、NTTがIWONという光通信技術を武器に、グローバルビジネスにチャレンジするという。
応援したくなる構想ですが、気がつけば日本国内のみ対応のガラパゴス状態(日本企業はこれが多い。。)にならないことを祈りたいところです。安全保障上の観点からも、やはり通信はNTTにしっかりとやってもらわねば。
Posted by ブクログ
NTTグループの現在地が分かる一冊。
『2030半導体の地政学』でNTTの「IOWN」が将来的に現在の勢力図を覆すかもしれない、というのがあったので読んでみた。
内容としては総花的で、「IOWN」の全貌・詳細が分かるわけではない。まぁ、従来は光を電気に変換していたのを、光のまま処理するので、処理が早いしエコだというのが分かればそれでいいのかな。
Posted by ブクログ
ちょっとNTT寄りに書かれてる気がするが、NTT今昔と向かおうとしている未来の概観が追える本。
通信規格の世代交代と覇権争い、スマートシティ作り、ドローン技術、携帯電話の代理店との関係性、事業会社の再編成のねらい等。
NTT関係者(従業員、取引先)は読んでおいてよさそうな一冊。
Posted by ブクログ
NTTが失われた20年を取り返す世界戦略
それに伴うグループ再編戦略
IOWN構想
国内はドコモ子会社化からのドコモコムコム連合による巨大通信会社化
東西は地域創生に向けた地域課題解決
Posted by ブクログ
斜め読みなので、読んだと言えるかな。
大阪・関西万博のオープニングを飾ったのが
1万人の第九EXPO 2025。
あんな会場でどの様にタイムラグを克服したのか!?
MBS 毎日放送の説明では、NTTのIOWN技術を駆使したとのこと。
実際にセミナーも聴いた。
IOWNの本も調べたけど、
本書にまず行き当たった。
でも内容的には題名通り、
NTT 2030年 世界戦略
だ。
ちょっと時間をおいてという事で、、、。
Posted by ブクログ
かつて時価総額世界一位でi モードのような先進的なサービスを世に送り出した「通信会社」でありながら、GAFAのような通信網を使うOTTビジネスの台頭を見抜けず、コミュニケーションツールに関しても新興勢力に奪われてしまい、通信インフラの土管屋となってしまった現状からIOWNを通じて復権を目指すビジョンに満ちた一冊。
通信と情報処理まで含めて全て光で実現するオールフォトニクスネットワークは本当に世界を変えるポテンシャルがあるように感じつつ、本書の中ではあまり技術的な説明や開発状況に関する詳細がなく、中盤はNTTのビジネスを薄く通り過ぎるような記述に紙幅が割かれてしまっており残念。全体像を理解させるために必要であれば、横串ともう少し強い繋がりがないと、何のための中盤なのか少々分かりづらかった。
Posted by ブクログ
NTT グループ全体としての進路や目指す場所について熱意を持って書かれている書籍です。
NTTの歴史についても詳しく書かれていました。(年表があるなど、分かりやすいですね)
素人意見で恐縮ですが、NTTから見た世界や未来といった内容ばかりなので客観性や事実ベースの話がもっと多いと良かったかなと思いました。