【感想・ネタバレ】クジラのおなかに入ったらのレビュー

あらすじ

世界には91種のクジラが存在し、内41種を日本で見ることができます。本書では函館を拠点にストランディング調査(打ち上げられたクジラの調査)を行い、専門の調査機関を設立した著者の歩みを、数々の事件や研究の苦労、発見の喜び、恩師や協力者、後輩とのかかわりを通して紹介します。

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Posted by ブクログ

パワフルだった!
自分の夢を叶えるための才能(頭脳と努力)と運に恵まれていて、読んでいて心地よかった。

書かれている研究内容も、易しい言葉で書かれている。
思わず、◯◯を調べたら☓☓についてわかったんだって、と話したくなるような感じだった。
生き物ってすごいなあ、と思えた。

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2023年12月15日

Posted by ブクログ

自分の好きな研究を学部時代に見つけられて、そこからどんどん突き進めて、、、私も理系学部にいたけれど研究は好きじゃなかったなぁ、
知りたい、楽しい!と思える研究に出会いたかったなぁと思わせてくれる。それと同時に今は大学の学部とは違う分野にいるけれど、ここでもっと頑張ろうと奮い立たせてくれる。そんな本でした。
もちろん、イルカやクジラのストランディングの話は臨場感たっぷりで面白かったです。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

ストランディング調査(打ち上げられたクジラの調査)で
クジラやイルカが生前何を食べ、生活していたかを研究する
学者の、歩みと研究の苦労、人間関係、そして鯨類愛を綴る。
・はじめに
・北海道略地図
CHAPTER1 イルカやクジラを研究するということ
CHAPTER2 鯨類研究者への道
CHAPTER3 「イカ」の研究者に弟子入り
CHAPTER4 イルカの種類によって餌が違う?
CHAPTER5 まだまだ続くよ研究は
CHAPTER6 ストランディングの研究機関をつくる
・おわりに
コラム、参考文献有り。

田島木綿子「海獣学者、クジラを解剖する。」を読んで、
解剖と調査、研究施設での「剥製」作成のすごさを
知りましたが、この本の著者もスゴイ。
イルカやクジラの胃の中身を調査&研究している!
クジラ好きから、遠く北大水産学部に入学し、
それから先は研究の道を一直線にポジティブに進む。
調査研究に必要ならば、遠くの大学や機関でも学び、
研究者としての技術やスキルを上げる。
そして人脈。大学の教授に先輩や後輩、他の研究者、
そして地元の人々や漁師との繋がりも大事なもの。
ストランディングしたイルカやクジラの胃の中を
丹念に選別し分析することの継続の大事さ。
腐敗進行の時間とのせめぎ合い。苦労も落胆もあるが、
それでもストランディング調査が最優先。
そして現在はストランディングネットワーク北海道を
NPO法人化して、調査に飛び回っている。
またスゴイ研究とスゴイ研究者を知ってしまった、充実感。
読み易い文章でグイグイと引っ張られてしまいました。
エピソードやコラムにも知識がいっぱいで、楽しめました。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

「クジラのおなかに入ったら」 

タイトルが面白くて良い。
ちょっとピノキオとゼペットのような。(いやあれはサメだった…。)

それはともかく、本書でクジラのおなかに入る松田さんは、バリバリの現場の研究者です。メルヘンな物語ではないです。

打ち上げられたクジラを解体して、胃の中を調査して、食性を解明する為に、北海道全域を通報が入ればどこへでも向かいます。
悪天候でも向かうし、飲み会が入っていてもキャンセルして向かいます。
クジラの通報はいつ入ってくるかわからないからです。
 
本書は、松田さんの学生時代のクジラウォッチングの始まりから、現在地点までの研究人生を紹介したものです。

イルカやクジラの図も豊富で楽しいです。研究者としての心構えも知る事ができます。研究手法も情熱も。

とにかくフィールドワークがすごく多くて、海外にも行かれるし、体力も必要な仕事だと思います。
当然、知力やコミュニケーション能力も必要です。精力的で情熱がなければ研究なんてできないんだよなあと、つくづく思いました。

また、こういった研究の成果を、私のような一般人にアウトリーチしていただけているから、色々なことを知って学ぶことが出来るんだと思って、改めて感謝の気持ちで一杯です。

文章から本当にクジラ研究が好きなんだなあと伝わってきます。

クジラやイルカに会いに行きたくなりました!

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

著者は小さな頃から好きだったイルカを大学での研究のテーマに据え、海岸に座礁(ストランディング)するイルカやクジラを解剖して、食べているものや生態を調査する。
北海道の厳しい自然と、打ち上がるイルカ、クジラ。
イルカやクジラというと、水族館のショーで見るバンドウイルカやカマイルカ、シャチ、ザトウクジラやマッコウクジラ、シロナガスクジラ……知っているのはそれくらいだったが、思っていたよりも種類が多かった。コマッコウは本書で初めて知った。すこし間抜けた顔がかわいい。
本書でも登場する田島木綿子さんの「海獣学者、クジラを解剖する」も本書も、危険が伴う研究の現場を書いているからか、とても臨場感がありおもしろかった。

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2022年08月14日

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研究者が書く、一般書籍というのは毎度面白い。文章自体は結構淡々としているが、学術的な記載はほどほどにかみ砕かれ、専門でなくても読みとれる上、研究者としての生活が垣間見えるのが良い。
ストランディングという言葉も、鯨類が日本周辺で41種いもいることも初めて知れた。生物学には多種多様な調査方法があり、同様に研究内容が存在しているのだなぁと改めて実感した。
NPO法人化した、著者の松田さんが副理事を務めるストランディングネットワーク北海道が、より今後のストランディング調査・研究に拍車をかけられる存在になれることを祈って。

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2022年02月07日

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ネタバレ

クジラのおなかに入ったら

著者:松田純佳(あやか)
発行;2021年12月3日
ナツメ社
*鯨類研究者(北海道大学)、NPO法人ストランディングネットワーク北海道副理事長、1988年京都府生まれ、水産科学博士(北大)

国立科学博物館の海獣学者で筑波大准教授、田島木綿子氏の本は何冊か読み、ストランディングされた鯨を解剖することが、そして標本をつくることがいかに大切かを知っていたが、本書の著者はクジラを解剖して消化器官などからどんな餌が出てくるかという、食性研究の専門家。田島木綿子氏は憧れの存在で、過去に研究の一部を任された時にはとても嬉しかったことなども書かれている。

食性研究といっても、胃袋にあるものを調べる程度ではない。鯨類は複胃であり、その先の消化器官へと進んで形がなくなっている餌もちゃんと調べる。形のあるものについては、例えば、イカなど頭足類にはビーク(クチバシ)があるが、その上顎と下顎(カラストンビ)をすべてチェックし、種同定をしていく。

魚については、なんと耳石を調べて種同定をするという。耳石は成長にともなって成長層ができるので魚の年齢まで調べる。1頭から何百、何千と出てくる魚介類をすべて調べるとのこと。もちろん、数も数えて記録。解剖記録は共有財産だから、いい加減な同定は許されず、徹底的にやるらしい。自分で分からなければ、もっと偉い先生に助けを求める。気の遠くなるような話だが、好きだからやれるようである。

さらに、食べたものは消化吸収し同化していくが、この時に軽い窒素14が先に使われていく。食物連鎖の中で、定時に位置する(食べられる)ものと高次に位置する(食べる)ものとでは安定同位体比に差が生じることになる。それも調べて、食性の推定もする。

鯨類のストランディングは情報がすべてで、いかにその情報をすぐに知らせてもらえるかネットワークをはっておくことが何より重要らしい。著者は北海道のストランディング鯨類の解剖をしてきたが、途中からは本州にも足をのばしはじめ、田島木綿子氏の手伝いもそれで出来たようである。

ストランディングは待ったなし。何時間も車を運転し、可能な大きさなら車で持ち帰り、大きければその場で解剖して持ち帰れるものだけを持ち帰る。卒論のスライド発表2日前にも連絡が入り、発表前日に解剖し、あわててスライドをつくって発表したという。もちろん、船で島へ行くことも。北海道の北端は稚内だが、そこまで車で行き、利尻島に渡って解剖をし、島観光を決め込んでいたのに今度は南端(函館よりは北だが菱形北海道の南端)の様似(さまに)町でストランディングがあったと連絡が入り、ただちにそちらへ急行。そんな有様。連絡を受けてどうしても行けなかったのは1度だけ。ソフトボールを顔面に受けて鼻の骨を折ったときだけ。だが、その時の解剖により、その鯨が新種だったことが分かったという。日本で41番目の新種に登録されてしまったらしい。

なお、世界には91種類の鯨類が確認されていて、その内、日本では41種類が確認されている。クジラの宝庫だといえる。

なお、クジラとイルカは別の生き物だと思いがちだが、単に大きさの違いだけであり、人間がそう呼び分けているだけ。シャチも含まれる。でも、イルカにはクチバシがあるのでは?と思いがちだが、スナメリやネズミイルカなどないイルカもいる。英語では、クチバシがあるイルカをdolphin(ドルフィン)、ないものをporpoise(ポーパス)と呼んでいるとのこと。

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大体2メートルぐらいの体長の固体なら、回収して大学で調査。それ以上だと基本的には現場での調査となる。

ヒゲ鯨の仲間の場合は噴気孔が我々の鼻の孔と同じように二つあるので噴気は2本上がる。

北大の札幌キャンパスの大きさは東京ドーム約38個分。小川が流れ、ジンギスカンパーティーを行う場所もある。自転車がないと授業に遅刻する。焦ってメインストリートを激チャ(激走チャリンコ)する姿は北大あるあるの一つ。

クジラの胃は複数あるが、牛のように反芻しているわけではなさそう。なぜ複胃なのかは分からない。
多くのハクジラの胃は、前胃、主胃、CC(コネクティングチャンバー)、幽門胃、十二指腸膨大部に分けることができる。前胃の胃壁には消化腺はない。

著者の推しビークは、ヤツデイカとウロコイカ。ヤツデイカのは見る向きのよってイルカが海面から顔を出しているように見えるのがかわいい。ウロコイカのビークは、初めて見たときにあまりにかっこよくてドキドキした。いじわるそうな顔みたいに見えた。

ストランディングされたクジラには、クマも近づく。解剖前に先を越されることもある。石狩の砂浜でオウギハクジラの調査をしたとき、行きの砂浜にはなかったクマの足跡が、帰りの時にはあってぞっとした。

シャチの調査を行ったときには、胃内容物から大量の鳥の羽が出てきて四苦八苦した。魚やイカは平気なのに、アザラシや鳥が餌として出てくるのを実際に見ると、なかなかショック。

胃内容物分析と安定同位体比分析の結果から、スジイルカたちはいつも同じメンバーで行動しているわけではなく、ときと場合によって集まったり離れたりする特徴を持っていることが考えられた。反対にカズハゴンドウたちは、グループで同じ餌を利用していることから、群は固定メンバーで構成されているのではないか。

現存する最大の動物はシロナガスクジラ。2018年8月5日、鎌倉の由比ヶ浜に漂着。著者は現地へ。体長10メートルほどで、まだ母乳を飲んでいた赤ちゃんだった可能性が高い。近くには母クジラがいるかも。

2020年12月、羅臼へ。ツチクジラ2頭が打ち上がった。2頭目、1074.2センチ、体重13.5トン。いつものように60センチの大包丁で切り開き、中へ入っていく。胃を引っ張り出すと、165センチの身長の著者はすっぽり中に入ってしまうほどだった。支給もとても大きく、大人が寝転んでも余裕があるぐらいだった。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

丹後で生まれ育った女性が、クジラに興味を持ち、北大へ。北海道でのストランディング調査を本に表している。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

鯨類への好きが溢れている。大学生活が楽しくて、ストランディング調査が楽しくて、胃の内容物を分けるのが楽しくて、勉強が楽しくて。やりたいことが定まっている人はなんて人生が充実しているんだろう。羨ましいなあ〜鯨の解剖話は別の方の本の方が面白かったが。

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2022年11月18日

Posted by ブクログ

 先に海獣学者の田島さんの著書を読んでいたので、ストランディングの話は記憶に残っており、するすると話が入ってきた。
 そのストランディングしたクジラから胃を取り出し、内容物を調査しているという著書は、研究者の道のりを必死に進んでいる姿が記されていて、また違う面がわかり面白かった。

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2022年11月07日

Posted by ブクログ

小説ではなく、
哺乳類に関する研究をまとめた書籍。
解説がわかりやすい。面白い。
クジラ用の包丁の大きさがハンパない。
鯨愛が溢れている。微笑ましい。
胃の中身を一つ一つ確認していく作業は、本当に大変そう。
女性の研究者は少ないそうで、大変なのが伝わってくる。
自分の好きなことを仕事にしたいと思っている中学生に希望がみえるような楽しさ。
輝いている人は、魅力的。たくさんの人に読んでほしい本。

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2022年03月07日

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