あらすじ
必殺「狩りモード」発動!
松山きっての繁華街“北京町”で、デリヘル嬢が絞殺された。愛媛県警本部と松山東署は特別捜査本部を設置。 ウルフの異名を持つ刑事・壬生千代人も応援に駆り出された。捜査線上に浮かんだのは風俗店経営者だった。被害女性と愛人関係にあったらしいが、腑に落ちない。周辺捜査を進めるなか、スイッチを切り替えた。狩りモード――それはスポーツでいうゾーンに近い。五感が研ぎ澄まされ、事件の断片が繋がる。そして見えてきた真犯人とは……(表題作「夏至のウルフ」)。
バツイチ、家なし、39歳の壬生は、ピンク映画館で寝泊まりする絶滅種の邪道刑事である。そんなウルフを尻にしくのが警部補・吾味梨香子だ。職場では些細なことでセクハラを騒ぎ立てるが、いざとなれば、なぎなた名手の腕前を見せる。曲者揃いで「道後動物園」と呼ばれる松山東署で繰り広げられる全5編の事件簿。松山出身にして、「このミス」優秀賞作家発の超ローカル警察小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
松山舞台のミステリー小説があると聞いて手に取ってみた。出てくる単語や土地が聞いたことがあるものが多く、頭に入ってきやすい。それでもキツい方言があると分からない事もあるけれど。
眉を触ってゾーンに入る、悩む際に自分も癖でよく触るけどそこで閃くことはない…。
Posted by ブクログ
つい最近松山に行く機会があって、とても良い所だったので、松山が舞台ということに惹かれて読んでみた。
確かに地元ネタはあるのだけれど、愛媛の中でもローカル過ぎるので、期待していた観光的な目線で読める内容とは違ったかな。
警察小説としては、途中でいきなり閃いて解決してしまうことろが、TVドラマのようで軽すぎる。短編集ではなく内容の濃い長編で読みたかったな。
Posted by ブクログ
柏木伸介『夏至のウルフ』小学館文庫。
39歳のバツイチでピンク映画館に寝泊まりする壬生千代人は、ウルフと呼ばれる腕利き刑事だった。そんな壬生を主人公にした5編から成る連作短編集。アウトローな刑事を主人公にした硬質な警察小説を期待したのだが、類似パターンの短編ばかりが並ぶ。
柏木伸介の作品を読むのは『ドッグデイズ 警部補 剣崎恭弥』に続き2作目になるが、やはり大して面白くはない。
『夏至のウルフ』。壬生が狩りモードに入るや否や、あっという間に真犯人を特定してしまうという出来すぎ感が強い。愛媛県松山市の繁華街である北京町で短大生のデリヘル嬢が絞殺される。愛媛県警本部と松山東署は特別捜査本部を設置するが、なかなか犯人を特定出来ず、ウルフの異名を持つ刑事の壬生千代人と吾味梨香子に応援を要請する。★★★
『酒涙雨の夜』。この短編でも壬生が狩りモードを発動されるや、いとも簡単に事件の真相を明らかにしてしまうというお決まりパターン。愛媛県庁の長寿介護課に黒ずくめの男が強盗に入り、二万三千円を奪い逃走した事案。壬生と吾味が現場に向かうが、明らかに金の無いところに押し入った強盗に違和感を覚える。★★★
『燕と泥鰌』。またまた壬生が狩りモードを発動し、真犯人を特定してしまうという。燕とどじょうがどう関わるのか。買い物帰りの69歳の専業主婦が暴漢に襲撃され、何故かどじょうだけが持ち去られる。同僚のチンピラ紙と呼ばれる平上美玖巡査が被疑者を確保するが……★★★
『満月の町』。これも前の3編と全く同じパターン。しかも、パターンが解っているので早々に真犯人が解ってしまい、面白いところが無い。まさかの囮捜査とはね。三件のソロキャンパー襲撃事件から半月が過ぎ、壬生に捜査の応援要請が入る。★★
『初雪の宴』。前の4編とは少しパターンは違うが、またまた囮捜査。壬生もようやくアウトロー刑事の本領を発揮するが、最後の1編と時遅し。本作の中ではこの短編がベストかな。連続強盗殺人犯が愛媛県内に逃走する。犯人は愛媛県内でも犯行を重ねるが……★★★★
本体価格620円
★★★