あらすじ
放蕩の限りを尽くしてきたエヴァースリー公爵五世は、跡継ぎを作るはずの弟が急逝し、直ちに結婚する必要に迫られた。公爵夫人になる女性は、貞淑で家柄と容貌がよく、広大な屋敷や盛大な催しを切り盛りする能力がなければならない。唯一条件を満たしそうな女性に会うため、あるパーティに赴くと、彼女は冴えないドレスをまとい、やぼったく振る舞っている。だが彼には、意図的に魅力を隠しているように見えた。ドレスの下に隠された、本当の姿を自分だけのものにしたい──湧きあがる支配欲のままに、公爵は狙いを定めた。
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Posted by ブクログ
便宜結婚からお互い愛し合うようになるが、相手の負担になってはいけないと、お互いに気持ちを伝えられない。でも、ヒロインはもちろん超放蕩者だったヒーローまで常に相手のことを労わって行動するところに愛が溢れていて、それなのにお互い自分ばかりが愛しすぎていること、相手から愛されてはいないことに落ち込んでてすれ違ってばかりで切ない。
お互いに気遣いすぎる新婚夫婦
ヒーローが逃げるヒロインを追っかけて妻にする過程はリズムあり、一気に読めましたが、後半夫婦になってからの誤解や、すれ違いが少々気だるく読むリズムを失速させられた感があります。
ただこのヒロインのキャラクターは個人的には結構好きです。美女で知的ですが、ヒーローへの反抗やギャフンを狙っているのではなく、彼女の結婚契約遂行のための生真面目さや、慎ましさ、ヒーローへの本当の思いやりから、本音を我慢しているので切ないのです。
女たらしのヒーローも、結婚してからは独身時代の強引な彼の姿は消えて、彼の方も契約上の役目を全うするために激しい妻への愛情を隠して遠くから見守るのに徹します。
二人のじれったい我慢比べを、ヒーローの叔母上が間に入ってヒーローの肩を推します。
最後二人は情熱的な愛を確認しあって大円団。