あらすじ
ひきこもりという存在が社会に認識されるようになって約20年。事態は解決に向かうどころかさらに深刻化している。支援の手が届かなかったひきこもりは40代、50代になり、80代の親が彼らを抱え込むことになった。近年、にわかに社会問題化した「8050問題」。その当事者と家族に焦点を絞った先に見えてくるこの社会の有り様とは? 深き苦悩を見つめた希望と救いのノンフィクション。
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Posted by ブクログ
ノンフィクションですので、現実の家族のお話なのでしょう。
日本中で実際には知られてはいないだけで、もっとたくさんの苦しい惨めで悲惨な家族たちが存在してしまっているのでしょう。
どうしても自分と他人を比べてしまいます。
高齢化しているひきこもり当事者たちは、すべてにおいて「今さら」という気持ちが非常に強い。もうどうしようもない、と思っている。
P.178「自分が一番ひどいとか、こんなダメな奴はいないとか思っている人もいるかと思います。僕も何回もそう思いました。でも、そんなことないんです」
あなたに似た人はたくさんいる。あなた一人だけではなく、同じように、「自分はできないだらけの中にいる」と考えている人は……今はわからないだろうけど、きっとたくさんいる。
ひきこもりを抱える家族たちはどうなるのでしょうか。
ひきこもり当人たちでさえも現代人として大きく取り残されてしまっているのに、高齢の親御さんたちもまた、さらに現代人としての技術や文化、学力から大きく取り残されていく。
完全な日本人社会の2極化。
ひきこもりと家族たちと、そうでない日本人たちとの。
中高年ひきこもり問題は、現代日本人が現在進行系で直面している大問題です。
ですので、ある程度社会生活を営むことができるようになれた元中高年ひきこもりの方とご家族の人たちも現在進行系です。
できれば元中高年ひきこもりからの脱出例を知りたいです。