【感想・ネタバレ】太陽がみつめるのレビュー

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爽やかな青春小説

藤澤桓夫は南海ホークスのファンだったらしい。大阪球場も懐かしいが、藤井寺球場が小説に出てくるのには郷愁をそそられる。アマチュアにプロ選手が指導することは野球の世界ではどれほど厳密であったかについて、この小説では高野連の神経質と狭心を引き合いにして作家は憤りを示している。珍しいことであるが、春夏の甲子園という大舞台に純真な気持ちで挑む高校球児に群がる邪な大人の経済論理に家族や周囲まで巻き込まれてしまうことを、作家は苦々しく観察していたのだと推察する。結末はもう少し書いて欲しかった気もするし、昭和39年に刊行された作品とのことだが、藤澤桓夫の他の野球小説も読んでみたくなった。

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2022年04月10日

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