【感想・ネタバレ】黄金の椅子のレビュー

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謙虚が美徳だった頃

初期の司馬遼太郎を推した藤澤桓夫、源氏鶏太、今東光は今の時代では読まれなくなっている。昭和三十年代に彼等三人の作品は数多く映画化され、文芸誌を彩った物語群は、ひっそりと電子書籍で息をしているようだ。今読めば牧歌的ですらある人間讃歌は、ともすれば古びているように受け取られるかもしれないが、高度経済成長を支えた同時代人が欲した栄養剤のようなものだったのかもしれないとも解釈できる。「黄金の椅子」に関してだけ言えば、もう少し細部を書き込んでもらっても良かったのではないかと、読後に感じたが、謙虚が美徳であった時代が確かにあったのだと考えさせられた。

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2022年02月03日

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