あらすじ
前代未聞の身代金を要求する、史上最凶の誘拐劇。
若者へ負担を押しつける日本の政治や、財政赤字への不満・不安をブログで訴える平岡ナオト。
彼のもとに保育士や大学生らが集まり、ある計画がスタートする。
やがて、元首相の孫にあたる小学生が誘拐される事件が発生。
犯人「革命係」からの要求は、財政赤字の見直し、もしくは一千兆円の身代金だった!
政府、マスコミ、国を巻き込んだ事件の行方は……。
第12回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作品、待望の文庫化。
感情タグBEST3
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もうすぐ選挙権を貰うので政治について学ばなくちゃとぼんやり思っていたが、これを見て自分の責任の重さに気づいた。
ナオトさんのやり方は良くなかったがしょうがないし英雄視されるのもうなずける。
国武は嫌いだ。孫にもおじいちゃんのようにはなって欲しくない。
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すごくよかった…
込められた政治思想に偏りはあるけど、政治を見ながらこういうことまで考えられてなかったなーって思ってこの本に出会えてよかった
また絶対読む
映画も観る
Posted by ブクログ
結構骨太なミステリー小説で読み応えあり。かなり面白い。
フィクションだけど、フィクションだと言い切れない、リアルな問題に疑問を投げかけている。
日本に巣食っているいろんな闇、長年放置されてきた様々な問題に、誰も責任を取らず、何ら説明をされないこの世の中を憂い、既得権益にすがる政治家や官僚に怒り、一石を投じようとする犯人。法を犯すことは許されないことかもしれないけど、後世を慮り闘おうとする姿勢は、犯人とは言え加勢をしたくなる。
単純に解決しない構成と愛のある登場人物たちが非常に魅力的な作品。
Posted by ブクログ
劇中人物の“独白”に近いような型で展開される“主張”的な部分…「既に、取り返しが簡単に利かない程度に過ちを重ね続けていながら、それを悔いて何とかしようとしない、この国の政府は一体何なのか?」という、素朴で純粋な疑問と憤怒と…或いはこうした問いが、自身にもぶつけられているような気がしないでもない…
「途方もない事件」を巡る、刑事モノであると同時に、素朴で純粋な疑問と憤怒とを胸に秘めた青年の物語という感の本作…なかなかに高評価であると後から聞いたが、それも頷ける。それにしても…次第に明らかになる“事件”の顛末は、私にとっては余りに意外だった…
Posted by ブクログ
元大物政治家の小学生の孫が誘拐され、日本政府に突きつけられたのは身代金として財政赤字とほぼ同額の1085兆円の支払いか、巨額の財政赤字を招いた責任を公式に謝罪し具体的再建案を示すかの二択だった。
国家の威信をかけて操作する警視庁捜査一課特殊犯係はあるブログにたどりつくが…。
奇想天外の要求をする犯人グループと捜査一課の攻防がスリリングで、政治家やエリートの酷い部分も見えてきてページをめぐるスピードが早くなった。さすが「このミス」大賞の作品だなと思った。
Posted by ブクログ
酷評されているけど、普通に面白い。政治不信が続いている2025年の今だからこそ読むべき作品だと思う
10年前の本書が発行された時期より現代の方が犯人の主張は刺さるだろうし、犯人らの思いが綴られた嘆願書には胸がついた。
説明が冗長で話が進まない箇所と、登場人物が多いが心理への深掘りがされているキャラクターがほぼ無いのは残念だったが、ミステリー大賞に選ばれて問題ないとは思う。
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「このミス」大賞シリーズをよみあさっています。
日本国政治の借金問題に対して、政府官僚へ意義をとなえたく、
元政府高官の孫を誘拐、日本の借金額と同等の身代金か
日本政府が過去の反省を活かした財政再建案を提案するかをもとめる。
刑事さんが頑張る姿はかっこいいので、片岡刑事の努力の姿がいいな。
すてきな奥さんと娘さんがいるから、何か物語に関係するのかと深読みした。
右翼的な考えは好きではないので、全体の話はそこまで個人的な好みではない。
いくらオブラートに包んだとしても、暴力行為を助長するのですからね。
日本の財政について考えるいいきっかけにはなると思う。
日本以外でもとても貧しい国があるので、だれもが思い描く理想の国はないでしょうね。
いまいる環境でどう頑張るか、どうできるか っていうことだと思うな。
Posted by ブクログ
まずタイトルからして、度肝をぬかれます。
一千兆円、、、
億円の間違いではないか?
それでも、桁外れの金額ですが...(一千万円?)
元副総理の孫が誘拐され、身代金の要求が届く。
その額、なんと一千兆円...
それが出来ない場合には、財政赤字の再建案を示すこと。
二転三転する真実に、警察も翻弄され、なかなか手掛かりがつかめず、解決にたどり着けない。
果たして、真犯人は、誰なのか?
ハラハラドキドキの展開に、一気読み必須です。
それぞれの主人公毎の書き方で、一種の倒叙ミステリのようでもあります。
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テーマが財政赤字であるとするならば、もう少し政府の対応についても踏み込んでみて欲しかった。
犯人と結末については、ある程度予想が出来てしまったのが残念。
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天藤真の「大誘拐」を思い起こさせる。誘拐されたのは大物政治家の孫で小学5年生の男の子。身代金は1085兆円。物理的に用意することも受け渡しもできない金額だ。ならばオチはどうするのか。代わりの何かを受け取るしかない。しかし、この物語のオチは、そうではなかった。ミステリーとしての緊迫感はやや弱かった気がするが、国民全員に等しく背負わされている危機そのものを分かりやすく伝えることが狙いだとすれば、上手く仕立てられている物語だ。
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単行本及び文庫本双方のレビューとも、あまり評価が高くないが(すなわち、ミステリーとしてイマイチ。意外性がなく展開が読める。人物設定が散漫。等々)、現代日本の危機的財政状況を、エンターテイメント分野で正面からとらえたという一点で、評価できるのではないか。
何しろ、誘拐犯の要求が、財政赤字と同額の1075兆円を支払うか、巨額の財政赤字を招いた責任者の公式な謝罪と具体的な再建策!何とも痛快な要求。
ネタバレになるかもしれないが、雄真君が将来何年後かに、あるいは政治家になっていて、どういう活躍をするか、そんな後日談的な続編を期待したいが。
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このミステリーがすごい大賞受賞作。
革命家を名乗る人物が元大物政治家の孫を誘拐、犯行声明の身代金は1085兆円!
国家の赤字財政問題を絡めた事件発生から解決までの物語。話題になるほどの面白さはなかったが、普通に楽しめた。
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【2022年10冊目】
開始から怒涛のスピード感ある展開に一気に引き込まれました。視点が変わる際には、副タイトルにその人の名前が書いてあるので、登場人物が多いながらも混乱することなく読むことが出来ました。犯人の慟哭はこの作者さんの慟哭なのかもしれないなと思いました。
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「1千兆円の身代金」
1.物語の始まり
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
「前首相の孫を誘拐した。
身代金は、1,000兆円。
安全に解放したければ、
政府への要求は、①、②いずれかのひとつの実行。
実行確認後、身代金も不要、人質も解放する。
国が抱える、増加し続ける借金。
①国民に対して増やし続けたことの謝罪。
②増えた原因と減らす対策。
これが小説の始まりです。
起承転結の起。
⭐️5個でした。
2.主な登場人物人数
警察 3
犯人 3
人質側 4-1=3
※この、人質側のマイナス1 が物語の骨格です。
3.読み終えて
文章が読みやすいか? 主観ですが▲です。
ひとつひとつのシーンの描写が不要に多いと感じました。
ミステリーか?と言われれば、犯人が最初から割れているため、ミステリー要素が少ないとも考えます。
結果、⭐️3個でした。
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大きなどんでん返しもなく、臨場感溢れる場面や展開が多いわけでもなく、平凡な誘拐事件(というのも変な日本語だが)。ただ一線を画しているのは、圧倒的な共感。読んでいる人間が20歳から30歳くらいであれば、どこかこの国を憂い、呆れ、でも流されてしか生きることが出来なくて、憤り、諦め、をグルグルしている主人公に感情移入する。というか、まずこの作者が誰よりも強い憤りや憂いを日本の政治家に抱いていることは明らか。そこが何より面白い。
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元副総理の孫が誘拐された。日本政府に突きつけられた犯人からの要求は、財政赤字とほぼ同額の1085兆円の支払いか、巨額の財政赤字を招いた責任を公式に謝罪し、具体的再建案を示すかの二択だったー。警視庁は捜査一課特殊犯係を直ちに全国に派遣し、国家の威信をかけた大捜査網を展開させる。やがて捜査陣は、あるブログを見つけるが…。
Posted by ブクログ
あまり、この手の小説は読まないのだがそこそこ面白かった。主題は財政破綻であり、これからの世代へのツケ越しの話である。それを豪腕でなる元副総理の孫を誘拐する話に仕立て繰り返し啓発してくるスタイルはややもすると鬱陶しいのだが、本作はしっかりと周辺やプロットが練られ、小説の体を十分なしており、エンターテイメントとしても読むに十分耐えられる。
Posted by ブクログ
あまりにも著者である八木さんの伝えたいことが全面に出すぎて、ミステリーとしての面白さが目減りしてしまっているような気もしてしまう。
登場人物も年齢差が歴然とあるはずだ。
なのに、何故か読んでいるとそれぞれの言動から年齢をうかがい知ることが出来ない。
たぶん描き分けがはっきりとしていないためだろう。
主人公である犯人の言っていることは間違ってはいないと思う。
でも、すべてが正しいわけではない。
どうしても犯人の方法に共感することができなかった。
物語を通して伝えたいことはわかるけれど、力が入りすぎてしまって多少辟易しないでもない。
本当に伝えたいことはもう少し淡々と描いてもらったほうが読みやすいような。
国家の財政問題をとりあげたのは興味深かったけれど、ミステリーとしては題材としてこなれていない。
人物描写も含めて残念な思いが残る物語だった。
Posted by ブクログ
政府の財政政策に異を唱える目的で元副総理の孫を誘拐し、身代金として日本国債と同額を要求する事件が発生する。
学生運動を彷彿させる拙く短絡的な正義感が、その欠点と美点も理解したうえで上手く描かれていると思います。なかなか面白い作品でしたが、中盤で事件の真相に予想がつき、結末までもが予想通りだったので、もう少し捻りが欲しいところでした。
Posted by ブクログ
「一千兆円の身代金」 八木圭一 ★★★☆☆
とりあえず、ご都合主義だな。
警察側のキーポイントの部分の説明が完全に欠落してる。勘かよ!事前に怪しい部分とか、関係のない人に執拗に捜査するとかフリが必要でしょ。
人物のキャラも弱くて、今村と片岡のバディ関係とかをもっと磨かなきゃ。登場人物が多すぎるので、整理が必要。
犯人の主張も、「朝まで生討論」的な感じで辟易しちゃいます。一方方向からしか世界が見えていないのでしょう。
香取慎吾主演でTVドラマ化されたようです。
wikiを見る限り、主役の一人、今村が女性に代わってる!女性警官が消えてる!子供が女の子になっとる!
Posted by ブクログ
ドラマが結構良かったので読んでみたんですが、文章があまり頭に入って来ず、結末も知っていたのでハラハラドキドキすることもなく。。。ちょっと物足りなかったです。
Posted by ブクログ
あまり印象に残らなかったが、最近の時事問題を取り入れているので、今読むには意味があると思う。
国の借金問題は、遠い話のように思えるが実はそうでない。改めて考えさせられます。