【感想・ネタバレ】そんな筈がないのレビュー

あらすじ

医学部の学生で、元警察官の父を持つ滝口康子が、次々と事件の真相を推理。新聞記者の小島純吉、康子の父に昔お世話になった老刑事の真田らも活躍する、4編の連作ミステリー小説集。

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多彩な作品

藤澤桓夫は自らを器用過ぎることが欠点であるかのように述懐していた文章があったことを思い出させるような、異色の推理小説短編4篇が収録されています。時代背景を考慮してもトリックそのものは難解ではありませんが、戦後の社会を反映させた大阪が描かれているのは、どのような作風であっても共通しています。通天閣に再び灯りがともるようになった頃に生きる、康子、真田刑事、純吉の素朴な正義感が愛おしく、その世界から離れ難く、もう少し書いて欲しいなぁという読後感を持ちました。

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2021年12月26日

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