あらすじ
ニトロプラス最新ヒットゲームを大胆に踏襲!
ベルモントの人口は40万人。対して自動機械人形(オートマタ)はたったの2000体。それでもこの地は、世界一の人形生産地だ──。瞳は宝石。血は水銀。心は円筒(シリンダ)。骨董品の自動機械人形は人間と見紛うほどの外見だが、自由な心を持たない。人の似姿として作られた彼女たちは、主人の命令に従うがまま、踊り、笑い、演じ、抱かれるしかなかった。ベルモントの片隅で泥を舐めるような毎日を送るマフィア・アレッシオと、彼のもとに身を寄せた兄妹の自動機械人形──兄は男娼で、妹は気の狂った元娼婦。二人を操る謎めいた仮面の男、そして兄妹を奪うべく暗躍する人狼マフィア。彼らの目的はただひとつ、それは『復讐』! 人形に魂はあるのか? いま古都ベルモントを舞台に、人間と人形と人狼によるゴシックノワールが幕を開ける。
※※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
原作とは一部キャラや組織など設定が繋がってますがこれ単品で読んでも特に支障はありません。
自動人形の産地・ベルモント。
一匹狼のマフィオーゾ・アレッシオがボスから託された双子の自動人形を巡る物語。
性描写や暴力描写が多く、硬質な文体と乾いた雰囲気が堪能できます。
孤独なアレッシオと彼を親父と慕う少年ギャングパロットラの交流、魂のあり方について苦悩するノヴェラとの深遠で哲学的な会話、小悪魔的魅力と媚態をもつフォーラの甘美な誘惑……
男の美学とでもいうべきストイックな慕情が凝縮されていて、マフィア物のラノベの中でもレベルが高いです。
ダークでピカレスクな雰囲気は好きな人はとことんハマること請け合い。
ノワール・ハードボイルドなどの言葉に反応してしまう人は一読の価値あり。
ラストは「ああ無常……」って感じですが、原作ゲームの冒頭と呼応する事によって言い尽くせぬ余韻が残り、こういう終わり方も悪くないなあと思えてきます。
比べるのもあれですが、「バッカーノ!」よりハード目でなおかつ短くまとまってる話をお探しの方はぜひ。
Posted by ブクログ
ニトロプラスのPCゲーム『月光のカルネヴァーレ』ノベライズ版。イラストは原作通り大崎シンヤさんが担当されています。カバー絵がとても綺麗で殆ど一目惚れ状態でした。原作は、『スマガ』を担当されたシナリオライター、下倉バイオ先生です。
ところで、こちらの作品では月カル本編で出てきたキャラクターが殆ど出てきません。一部出演しているキャラクターもいるにはいますが、基本的にオリジナルのキャラクターたちを中心に物語が進行していきます。しかし、物語から伝わる空気は間違いなく原作のベルモンドのもので、ゲーム本編をプレイされた方にも楽しめる内容となっているのではないかと思います。
『物語(ノヴェラ)』と『御伽話(フォーラ)』の二人のオートマタは、見ていてほのぼのするというか可愛らしくてとてもよいです。
でもペルラさんの方がもーっと好きです。