原作とは一部キャラや組織など設定が繋がってますがこれ単品で読んでも特に支障はありません。
自動人形の産地・ベルモント。
一匹狼のマフィオーゾ・アレッシオがボスから託された双子の自動人形を巡る物語。
性描写や暴力描写が多く、硬質な文体と乾いた雰囲気が堪能できます。
孤独なアレッシオと彼を親父と慕う少年
...続きを読むギャングパロットラの交流、魂のあり方について苦悩するノヴェラとの深遠で哲学的な会話、小悪魔的魅力と媚態をもつフォーラの甘美な誘惑……
男の美学とでもいうべきストイックな慕情が凝縮されていて、マフィア物のラノベの中でもレベルが高いです。
ダークでピカレスクな雰囲気は好きな人はとことんハマること請け合い。
ノワール・ハードボイルドなどの言葉に反応してしまう人は一読の価値あり。
ラストは「ああ無常……」って感じですが、原作ゲームの冒頭と呼応する事によって言い尽くせぬ余韻が残り、こういう終わり方も悪くないなあと思えてきます。
比べるのもあれですが、「バッカーノ!」よりハード目でなおかつ短くまとまってる話をお探しの方はぜひ。