あらすじ
自殺をくり返して世界を救う少年。再び。
駆けつけた僕が見たのは、あまりにも異様な光景だった。真夜中の闇の中で、その一角だけがやけに明るい。赤黒い炎に包まれ、窓という窓から黒煙を吐き出す洋館。燃えている。崩れ始める外壁。熱風と火花が僕の位置にまでやってくる。「殺人も、放火も、全部……全部、あの女が……あの夢乃の奴がっ!」芝生に蹲った一人の女性がポツリと呟いた。ユメノ。トキワユメノ。僕はその人物を知っている。「超能力研究会」副会長で、この世で唯一の、たった一人の、僕の「能力」の理解者……彼女はいまもこの屋敷の中にいるのだろうか。その時、「拳銃自殺……」という、警官らしき男の声。そこは洋館の庭の端に設置された倉のような建物の中だった。かび臭いその部屋で……常盤夢乃先輩が倒れていた。清楚可憐な白いカーディガンが、何かに汚されている。どす黒い何かが、彼女のこめかみからだくだくと流れている。力なく落とされた左手には銀色の小型拳銃。人差し指はその引き金にかけられたまま……。僕はその光景をぼんやりと数秒間眺め、そして――彼女の小銃を握り、衝動的に、死ぬことを決意する。
「セーブ&ロード」機能を持つ自殺常習少年の推理ロマン第二弾!
※※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公の能力的に全巻では確かに気付かなかったが、死んだらセーブ地点に戻るのでどうやっても死なないという事になるなと気付いた。内容は1巻と同じような感じで、もう一人同じ能力を持ってる人物が出て来る。
Posted by ブクログ
うかつにも3巻を先に読んでしまった。そのため普通に読んだら少し印象は違っていたかも知れない。
1巻ほど緊迫感というか主人公の必死さが出ない展開だったのはちょっと残念。もっとも趣向が変わっただけで、推理ドラマ仕立てで凝った仕掛けである点は評価しています。ただ、読みながら感じたのは、このセーブ機能でそこまでできる、というかやれるものかなという疑問。あまり書くとネタバレになるためやめますが、未来を誘導することができるように筆者は書いてあるし確かにできないとは言えないけど、狙いどおりに未来が展開しないといちいち死なないといけない「手間」を繰り返し実行することが非常に面倒に感じ、その手間をかけるモチベーションが登場人物から感じ取れなかったです。確かに潔人(きよと)のようにビルから飛び降りたりする手間ではなく、即効性の毒や銃があれば能力を発動するための死ぬ行為が手軽に実行できるのかもしれないけど複数セーブできないため、複数の人物が行動するような場合、ひとりでも困難な追跡(観察)がほとんど不可能になると思う。
グダグダ書いたが要するに、こんなことを考えさせるスピード感の不足がこの巻にはあった。実際のゲームでも1回しかセーブできないと多数の分岐がある場合クリアは苦労する。作者はFFのような一本道のゲームしかやってないんじゃないだろうか。
Posted by ブクログ
今度は常盤先輩です。しかし、ちょっと考えれば初っ端で犯人が分かるパターン。考える過程とかつい一気読みしてしまいましたけど、この必死に足掻く感じがいいのかもしれませんね。
で、主人公の決定的欠陥、「死ねないこと」ことにもある一定の答えが出されました。例によってすっきりした答えではないですがね。そして、常盤令司。彼に言いたい。「貴様はバルバトスかっ!!」と。どんな意味があるかと知りたいのであれば「テイルズオブデスティニー2」をやってください。
Posted by ブクログ
前回と引き続き主人公が「クイックセーブ機能」を使って
事件を解決していきます。
今回は常盤先輩と周辺の話。
先輩の過去が明らかになったり例のあの人が出てきたり…。
これは…次回もあるのでしょうか…
次の巻も出てくれたら嬉しいです。
Posted by ブクログ
”クイックセーブ機能”
とでも呼ぶべきか。
そんな、人生を巻戻す能力を持っている僕だが、とある事件を境にその能力は使わないようにしようと決めていた。
そう、普通の人と同じ生活。普通の生活をしようと。
しかし、日曜日。
夢乃先輩の誘いを断り幼馴染の由衣と出かけた僕だったが、そんな僕に電話がかかってきた。
「今日、夢乃をみませんでしたか?」
そして、僕はまた。能力を使った。
前回に引き続き、
セーブアンドロードを繰り返しながら、証拠を見つけ、
最終的に”事件が始まる前に”事件を解決する物語です。
前回が幼馴染ルートなら、今回は先輩ルート。
最後の最後、予想通りとも言え、なおかつ予想外ともいえる展開がまってます。
あとがきが無いのがすこし残念!!
Posted by ブクログ
人生のクイックセーブ&ロードというチート的な能力を持つ少年の物語.
能力の発動条件は「少年の死」.
死ぬことでクイックセーブした時点から人生をやりなおせる.
そしてセーブせずに死ぬと「はじめから」やり直すことになる.
つまり彼の人生には完全なゲームオーバーというものが存在しない.
死んで終わりじゃなくて死んだら最初から,ということは
彼は完全に死ぬ.というか消滅することがない.
そんな彼の前に現れた同じ能力を持つ男.
彼ならば繰り返す人生を終わらせることができるという.
というわけで2冊目でした.
それなりに面白かったんだけど
やっぱりこのシリーズは本当に死を軽くするなぁ.
Posted by ブクログ
うまいことかんがえてますねえ。
このセーブロードシステム
一巻目と比べると明らかに弱くなってるのかもしれないけど
わかりやすくていいですね。
単純な形になった分普通のミステリーになっちゃったかもしれないけど