あらすじ
キャリーは、アパートメントからの立ち退きに抗議するため、業者の会長を訪ねる。が、彼女の目前に現れたのは夫のニックだった。挙式直後、彼の浮気現場を目撃し、屋敷を飛びだして1年。逃げおおせたつもりでいたけれど、私は夫の手の中で逃げた気になっていただけだったのね。すると、彼は素直に屋敷に戻って彼の跡継ぎを産めば、再開発計画を見直そうと脅してきた。自分は愛人と関係を続け、一方、私は子供を産む道具として孤独な花嫁を演じつづけるのね──。
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絵がとても魅力的なのに残念な仕上がり。ジェネビーブの事象にページを割きすぎです。結局のところキットもジェネビーブの息子達もアパートの住人達も本筋には関わってこないのだからこんなにも詳しく描く必要なし。このせいで、じっくり読ませるべき部分をト ントン拍子で進むような展開になってしまっていてとても残念。物語は前サー・ラナルドの妻アデールの妬みでサー・ニコラスには愛人がいると告げられたキャロラインが親密そうなバネッサとニコラスを目撃し逃亡したところから始まっている。逃亡から1年後という間隔は納得のいくものだが、「生活が苦しければ僕のところへ戻ってくる」という物言いはその後の展開とはチグハグでモヤモヤする。ニコラスはキャロラインが心変わりをしたのだと決めつけているが葛藤はあったはずだし、一般的にはその真実を相手に問うものだろうが、それはしていない。小さなことに思えるかもしれないがそれがとても重要で読み手を引き込むための鍵なのだ。義妹の存在は姑の為に秘匿されていてそれを肯定するためにはジェネビーブではなくて姑セシリーとキャロラインとの関係を密に書くべき。流し読みで終わってしまう原因だ。もったいない。