あらすじ
精神障害者とその世界に肉薄し、国際的に高い評価を受けたドキュメンタリー映画『精神』の監督による精神障害論・メディア論。数多くの精神科患者と向き合うなかで感じた日本人のこころの問題、制作・公開をめぐって直面した日本社会のタブーを語る。
※本電子書籍は同名出版物(紙版)を底本として作成しました。記載内容は、印刷出版当時のものです。
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Posted by ブクログ
映画『精神』の編集後記的内容。
色々な問題を提起しているが、どれもこれも考えてみれば当たり前のことのように思えてくる。
それだけ、自分たちが普段このような問題から目を背け、思考停止しているということだろう。
モザイクをかけていないこの映画をどう扱うか、メディアが逡巡している風景の記述がなんともリアルで、印象的で、象徴的だった。
こういう映画が評価されない、それ以前に、評価するかどうかの土俵にすら上がれない、という状況がいつまで続くんだろうなぁ、と思う。
「ドキュメンタリーは主観的作品」と断言してくれるからこそ、僕はこの映画や本の内容にリアリティを感じることができた。
次回作も既に撮影中とのことで、しかも被写体が平田オリザさんということで、それはもう期待せざるを得ない。