【感想・ネタバレ】夢の卵のレビュー

あらすじ

モデルのような容姿のベストセラー作家・太夏志(たかし)が強引に自分のものにした詩草(しぐさ)。優しく綺麗なうえに秘書としても有能な詩草は、申し分のない恋人だ。ただ、常にクールでつかみどころのない性格は、同居を始めてからも変わることはなかった。ところが、伯父の葬儀のため出かけた詩草が、戻ってきた時には13年分の記憶をなくしていた。いつもと違い、無防備に寄りかかってくる少年のような詩草に、太夏志は戸惑いながらも新しい愛情を感じはじめて――!~

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

BLかと言えばそうでもなく。JUNEかと言われるとちょっと違うような。
半々の要素があるような。ないような。
恋愛小説と言い切れるほど恋愛でもない。
昭和の匂いがする少し古い感じを受けるけれど、心の問題を取り扱っているので古くて新しいテーマだと思います。

主人公が恋人への持つ「恋情」的な面と「父性」的なのバランスが絶妙です。なんていい男なんだと。
理想の男性過ぎて、魅力があってそのあたりはBLに出てくる理想の男性像なのかなーと。身勝手なところもあるけれど、相手を思いやれるいい男。
そんあ彼から無償の愛情を受けるもう一人の主人も繊細ではかなげで。心に影のある。でも、心の優しい芯の強い人で。やはり理想の人だなーと思います。

主人公以外の登場人物たちの「隣人愛」的な愛情や「親子の情」的な感「家族愛」のような愛情。庇護欲からくる愛情。
いろんな「人へ向ける優しい感情」について丁寧にきれいな文章でまとめ上げられた。「愛情」の話のように思いました。
ただ好きになって恋愛成就して二人は幸せになりました、という話ではないので新鮮でした。

なれそめから、もっと深い情交わせるようになった後日談など。主人公たちの前後のお話を読んでみたいなーと思いました。
あとがきによると、同人誌の形でお話がまとめられているそうです。
何かの機会に読めるといいな。
とても面白かったです。

0
2012年06月22日

「BL小説」ランキング