あらすじ
漂流叛族から選ばれた戦士〈異人(ホカヒビト)〉。彼らはその身体に彫られた刺青を三次元化させ使役することができるほか、世界に二体存在する四次元生命体〈戦争獣〉を扱うことができる超人である。朝鮮戦争、ヴェトナム戦争……地球上で戦争が起こるたびに戦争獣はその力を増していく。争い合う彼らの向かう先には、すべての文明と人類を消滅させる最終・究極戦争の存在があった。異人たちは時空を跳梁し人々を滅亡から救うため奔走する。戦争とは一体何か、人々は争いをやめることができるのか。縦横無尽に描かれる、巨匠渾身のハードSF。/解説=藤田直哉
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読み終えたあと、まず残るのは物語のスケールではなく、頭の奥に沈殿する違和感でした。
人と獣、国家と暴力、理性と衝動が幾重にも重なり合い、世界が静かに壊れていく感触がじわじわ効いてきます。
上巻の荒々しいエネルギーと、下巻で深まる思想性の落差は刺激的で、SFでありながら戦争論としても読める重さがあります。
一方で、設定や概念が過剰気味で、感情が追いつく前に理屈が先行する場面も少なくありませんでした。
それでも、善悪を単純に切り分けない冷酷さと、人間という存在への不信と執着が同時に描かれる点は圧倒的で、読みやすさよりも、読後に考え続けさせる力を選んだ一冊でした。