あらすじ
第16回(2018年度)『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作!
「シンプルで美しく、しかも本格愛にあふれた物理トリックがすばらしい」――大森望(翻訳家・書評家)
貧乏学生・鳳水月の前に現れた、顔も骨格も分身かのような瓜二つな男・古城深夜。鳳の同級生である彼は、OOPARTS(オーパーツ)――当時の技術や知識では制作不可能なはずの古代の工芸品――の、世界を股にかける鑑定士だと高らかに自称した。水晶の髑髏に囲まれた考古学者の遺体、夫婦の死体と密室から消えた黄金のシャトル……謎だらけの遺産に引き寄せられるように起こる、数多の不可解な殺人事件。変人鑑定士・古城とともに難攻不落のトリックに巻き込まれた鳳、“分身コンビ”の運命は?
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Posted by ブクログ
一話目は悪くなかった。
そこまで驚くというわけではないが、密室トリックは合格点という感じ。虎太郎の失言だったり、高杉がチョークの粉を拭き取るか否か、といった犯人特定の論理も悪くない。
だが、犯人が合鍵を持っていたという結末の二作目、犯人は箱のような物に隠れて出入りしていたという三作目、この二つの出来が酷すぎる。
二作目に関しては、「妻が偽物を仕込んだ」なんてのは所詮深夜の推測にすぎない。
そして四作目はどうかというと、これは可もなく不可もなくといったところ。派手なトリックではあるが、それ以上でもそれ以下でもない。
と、ここまで来て終わりかと思いきやなんと最後の最後にあまりにも不要な物が登場。
要は4つ目の事件は1,2,3番目の事件のトリックが全部使われてるから裏で手引きしていた奴がいたよ、ってことなんだが、正直面白くも何ともない。
結局のところ、1作目が一番良かった。
個人的には古城と鳳の掛け合いは面白かったのだが、本作の続編は読む気がしない。