あらすじ
植民星ラクザーンでは、人類と瓜二つの穏和な先住民と、地球人入植者とが平和裡に共存し発展を謳歌していた。だがその恒星系の太陽が、遠からず新星化する兆しを見せている。数年内に惑星のすべての住民を待避させよ――。連邦経営機構に任ぜられた新任司政官マセ・PPKA4・ユキオはロボット官僚を率い、この空前ともいえる任務に着手するが。緻密な設定のもと周到なオペレーションを描きあげ、《司政官》シリーズの最高作にして眉村本格SFの代表作と謳われる傑作巨編。泉鏡花文学賞、星雲賞受賞作!
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Posted by ブクログ
『司政官』シリーズの第1長編『消滅の光輪』。『SFマガジン』連載後、早川書房で1巻の単行本として出版されたあと、ハルキ文庫から三分冊で出ていたが、絶版となっていたもの。東京創元社から、二分冊での登場である。
『SFマガジン』への連載の終了が30年前。最初は短めの長編くらいに考えていたらしく、「前編」「中編」……と連載が始まって、いつしか連載第何回になったという経緯は、今回のあとがきに書いてあるが、当時連載を待ち遠しく読んだことが懐かしい。単行本化されて再読しても面白かったが、30年して読んでもやはり面白い。
司政制度の衰退した時代、惑星ラグザーン。司政官マセは新任司政官として赴任する。その使命は避難。惑星規模の避難である。ラグザーンの恒星が新星化するという証拠をつかんだ連邦が、その前にラグザーンの植民者と先住民ラグザーハの他の惑星への移住を指揮するようにマセに命じたのである。
さてそこで司政制度の衰退した時代という設定が障害として生きてくる。「消滅の光輪」とは新星化して消えゆくラグザーンの太陽を示すとともに、後光の消えた司政官をも意味しているのであろう。権威が落ちつつある司政官にそのような大事業ができるのか。
Posted by ブクログ
司政官シリーズにはまってまして。東創ありがとうみたいな(笑)究極の頭脳戦だなと。マセ大丈夫?となってしまいます。まあ、一番手強いのは人間だよね…。
Posted by ブクログ
市政官シリーズの長編です。シリーズの最高作とありますが、確かに面白いです。単行本は1979年に出版されています、今回再々の文庫本です。30年前に書かれたお話ですが全然古さを感じさせません。文庫化してくれた東京創元社に感謝です
Posted by ブクログ
眉村卓の司政官シリーズの代表作品。植民地ラグーンでは、人類と瓜二つのの温和な先住民と地球人入居者が住み分けて暮らしていた。そこに新任司政官マセ・PPKA4・ユキオが赴任。ロボット官僚をを使って統治を始める。ところがこの星の太陽が超新星化することがわかり、住民を別の惑星に退避させることになる。住民や進出企業等の複雑な思惑の中で、大事業に取り掛かる。