【感想・ネタバレ】木野塚佐平の挑戦だ 木野塚佐平シリーズ2のレビュー

あらすじ

桃世はケニアに行ったきり。現職の総理大臣が急逝し、世間は大混乱だというのに、あこがれの美人ニュースキャスター香川優子の姿に煩悶する木野塚佐平氏。ダブル不倫、ホモの失踪事件、おなじみ高村女史からの無理難題を解決しては、糊口をしのぐ毎日。そんなある日、電波系オタク男からの依頼、中年女からの盗聴の相談と、事務所に続々寄せられる妙な仕事。さらには、あの香川優子をじかに訪ねる機会まで・・・・・・。抱腹絶倒、呵々大笑、ケニアから帰国した桃世とともに、木野塚氏は今日も行く。ユーモア・ハードボイルド長編。シリーズ第2弾!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『木野塚探偵事務所だ』に続く、木野塚佐平シリーズ第二弾。
前作は連作短編集、今回は長編。
そして、事件も何だか、でっかくなりました。
個人的には前作より、面白かったのだけれど(あとがきによると”文体”が前作から変わっているとのこと、そのため?)、前作の愛嬌のあるキャラクタたちと珍妙な事件の絡みが好きであった読者は、色々とギャップを感じてしまうだろうなと思った。
前作にもひとつはまりきれなかった私も、「あれ?こんな作品だっけ…」と思ったくらい。
総理大臣の死、それに関する妙な説。
木野塚氏の希望通り、大事件が迫ってくる。
木野塚氏が空回りしている面も今回はあるものの、けっこう彼の望みが叶っている方なのでは?

”警官生活三十七年、警視総監賞を受賞”、暗記してしまいそうな、木野塚氏の口癖というか、キャッチフレーズというか。
これをことあるごとに述べ、ハードボイルドを気取る(決まりきっていないことが多いけれど)木野塚氏と頭の回転が速く、木野塚氏の理想の女性像とかけ離れたボーイッシュな桃世のキャラクタは相変わらず。
桃世ファンの私としては、ケニアから戻ってきて、嬉しい。
著者曰く(こちらもあとがきより)、この作品は”大バカ大ナンセンス小説”。
本作については「ちょっと調子にのりすぎたかな」だそう。
その著者のくだけた感じがうまく作用しているのが、この作品には良い弾みを与えてくれたように、私には思えた。

第3弾があるならどういう方向へ持ってゆくのか??

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2014年05月20日

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