あらすじ
明治はじめ,長崎・浦上のキリシタンたちは,罪人として各地へ流され苦役をしいられたが,彼らはそれを「旅」とよんだ.農家の娘たみの人生と,「旅」にまぎれこみ数奇な運命にもてあそばれる浮浪児千吉の人生がからまりあっていく.歴史的事実にもとづくこの長編物語は,『肥後の石工』とならぶ,作者の代表作でもある.さし絵は太田大八氏.【解説 関口安義】
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Posted by ブクログ
明治時代初期にキリシタンが弾圧され、囚われ、故郷を追われて方々に散り散りバラバラに地方に島流しにあったお話。江戸幕府から明治政府にかけて、キリシタンを改宗させようと拷問が続く。何とも理不尽な話なのに、その頃異を唱える人はいなかったのか。私はキリシタンではないから、こんな拷問を受けながらも自分の信教を守り続ける強い意思が、イメージが湧かない。こんなことをされるのだったら、もうキリシタンをやめてしまおうと思ってしまいそうだ。
でも、この当時、民主主義の世の中ではなかったから、いろんな理不尽なことも平気で行われていて、キリシタンの教えは、そういった考えとは全く違った、個人個人の考えや尊厳を大事にするものに思われて、キリシタンたちには、よほど、大切な教えと思ったのか。
今の日本は、民主主義の国になっていて、こんな間違ったことは起こらないだろう。
中国や、北朝鮮では、今でもこんなことが起こっているんだろうな・・・・。
今の日本に生まれて良かった。
この本は、重い題材だけれど、たみや千吉に感情移入して、物語の世界に入り込むことができた。