あらすじ
非婚や少子化は国家の将来にとっては難題だが、個人の生き方とは別の話だ。恋多き人生を全うした男女もいれば、世を正しく導くため、あるいは社会を作り変えるという使命感とともに単身を貫いた人もある。エリザベス一世、マザー・テレサ、ニュートン、カント、津田梅子、小津安二郎……直接の子孫こそなくとも、偉大な事績を遺した「おひとりさま」19人の言行と信念から見えてくる、本当の「自分らしさ」とは。
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Posted by ブクログ
「おひとりさま」であることに着目した19人の生涯。
第一章 恋多き人生を全うする
カサノヴァ、モーパッサン、ココ・シャネル
第二章 憧れゆえに思いを遂げられない
アンデルセン、立原道造
第三章 世を正しく導くために
コルベ神父、マザー・テレサ、エラスムス
第四章 自然と人間の真理を探究する ニュートン、カント
第五章 芸術と自由の精神を求めて
ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ゴッホ
第六章 女性ならではの社会の変え方
ナイティンゲール、津田梅子
第七章 君主でありながら子孫を残さず
エリザベス一世、上杉謙信
第八章 常に自分らしくありたい
ジェイン・オースティン、小津安二郎
主要参考文献有り。
古今東西の著名人19人の、それぞれの生涯について、
何故「おひとりさま」だったのかに焦点を当てた内容です。
評伝は簡潔で分かり易い文章。
章の内容に絡めて、19人以外に名前だけの人物も。
また、カントの日常生活やエリザベス一世への多くの求婚と
愛人たちのエピソードも興味深いものでした。
「おひとりさま」でいたのには様々な事情と理由があること。
信仰や布教、発見と真理の探究、芸術への情熱、
男性社会との戦い、統治安定のため、自分らしさを保つ・・・など。
恋愛は様々で、恋多過ぎ、シャイ、憧れが強過ぎ等々。
当時の身分の問題や病での障壁には、悲しいものもあります。
直接の子孫は残さずとも、信念と自分らしさを貫き、
名を残した生き方は、学べるものもあるなぁと感じました。