あらすじ
2045年、インプラント情報端末「epo-C」の仮想空間コミュニケーション機能「SX(エスエックス)」によって、コミュニケーションの形はそれまでとは大きく姿を変えた。もちろん僕達高校生の恋愛の形も。(著者名:南部ゼロイチ/初出:GANMA!135~147話掲載分)
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全巻読んでのネタバレ感想
1巻のレビューではネタバレ要素を細かく書くわけにいかなかったので、こちらで捕捉を。
今全巻読み終わって、やはり「恋愛もの」としてもっと突き詰めて描いた方が良かったのではないかと思う。
全編を通じて、シリアスな恋愛もの5:ラブコメ4:SF1 と言う感じ。
1と言う少ない割合で分かる通り、本作のSF要素は物語のキモである一方で、正直オマケ要素的で、無くても良かったのではないかと思う。
ラブコメ部分などはこれまた個人的に好きな「すんどめミルキーウェイ」に似ていると感じた。
もちろん、「すんどめ」ほどエロに振ってはいないけれど、言葉の掛け合いなどテンポの良さは似ている。
そしてなんといっても、最後のマルチエンディングもそっくり。
そしてシリアスな恋愛面。
汐里とのやり取りや別れ、英恵とのやり取り、なれそめ、そして敬司のエピソードなどは非常に良い。
一方で、汐里と別れた直後に英恵と付き合う点や、その後も汐里とヨリが戻らない点などは個人的にかなり不満。
これは、その段階で汐里のキャラが非常に魅力的になっていたこともあると思う。
そしてSF要素。
結局よくわからないし、オチも強引だった。
そもそも左手兄弟も必要だったのだろうか?
沙愛んは良いキャラではあったけど、四角関係の中では終始蚊帳の外で、最後までそれは変わらず。
禍王スは愛すべきキャラだったが、宇宙スはSF要素の為にしか出てこず、これも全体からすると弱かった。
こういうところに詰めの甘さを感じた。
全体的に見て、後半汐里と別れた後の展開が雑に感じた。
1月後半に別れて1ヵ月で英恵と付き合い、その半月後には1泊旅行というのはさすがに展開が急すぎ。
誕生日の要素に拘らず、1月に分かれて夏前まで悩み、その後英恵と付き合い始めて夏休みに旅行…という展開で良かったのではないかと思う。
もともと、高3の展開には触れていない訳だし。
あと、絵に関しては後半どんどんうまくなっていき、ヒロインたちがどんどんかわいくなっていったのはGOOD。
ただ、最終巻あたりでは以前とかなり顔つきも変わっていたけれど。
全巻読んで後悔はせず、良い作品だったとは思うけれど、それだけに煮詰めなおせばもっと良い作品だっただろうに、と惜しさも感じる作品だった。