あらすじ
島をじっくり歩けば、日本の裏と側面が見えてくる。
人間魚雷、自殺の名所、産廃、ハンセン病、金山、隠れキリシタン、領土問題、毒ガス、津波、炭鉱…日本の多くの島々が、数奇な歴史と運命に翻弄された。
その背景には必ず、国家を、民衆を、他人を自分の思い通りに操りたいと思う「力ある者」の身勝手な思惑があった。彼らの傲慢な思いは、辺境である「島」に、しばしば形になって現れる……。
《登場する島》
●島を襲った大津波から四半世紀…奥尻島〔北海道奥尻郡奥尻町〕
●歴史の隙間に消えた、偉人の足跡を探して…佐渡〔新潟県佐渡市〕
●三原山は「神の山」なのか?…伊豆大島〔東京都大島町〕
●アートが覆う産廃の影…豊島〔香川県小豆郡土庄町〕・直島〔香川県香川郡直島町〕
●療養所がある島…長島〔岡山県瀬戸内市〕・大島〔香川県高松市〕
●戦争に翻弄された島々へ…ヒロシマ① 金輪島〔広島県広島市南区〕・大久野島〔広島県竹原市〕
●地中で蠢く戦争の記憶と気配…ヒロシマ② 似島〔広島県広島市南区〕・江田島〔広島県江田島市〕
●海に沈んだ若者を想う…大津島〔山口県周南市〕
●キリシタン迫害の残像…久賀島〔長崎県五島市〕・生月島〔長崎県平戸市〕
●黒いダイヤに振り回された島々…池島〔長崎県長崎市〕・伊王島〔長崎県長崎市〕
●竹島にいちばん近い島…隠岐島後〔島根県隠岐の島町〕
●あとがきにかえて…8年ぶりの宮城県江島、そして女川
このたび世界遺産に登録された潜伏キリシタンの島、久賀島・生月島を本書第9章にて取り上げております! !
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【島は癒しの楽園ではない】
必ず歴史がある
そして有事の際には
権力者の愚かさを映し出す鏡となる
今はウサギ
昔は毒ガスの島を知っていますか
人間魚雷
大津島の回天記念館には
「何かをひとつ心に受け止めて
お帰り下さい」と記されている
この本から受け止めるのは
一つではない
Posted by ブクログ
行ったことがある島と行ってみたい島、名前も知らない島のレポで読んでいて懐かしく思ったり、そうだったのかと勉強になる一冊だった。
豊島美術館の困惑具合が私と同じ感想で読みながら爆笑してしまった
現代アートはよくわからん笑
産廃で有名だったのは知らなかったのでいつかまた行く機会があったらアート目的ではなくそちらを見に直島共々訪れたい
直島にも滞在したのでセブンイレブンの衝撃と例の銭湯のきらびやかさに慄く感じは親近感がわいた。
瀬戸内、アート目的で行った限りだと小豆島の寒霞渓が一番良かった
寒霞渓までのバス道中など
やはり島は人工物よりも元々あった自然を生かした景観が一番綺麗なのかもなぁと改めて思った
うさぎの島が思っていたよりもうさぎ観光客が多いと知り驚いた
この島の毒ガス関連の施設はいつか行ってみたいと思っていたので、予習ができた。
どの島にも戦争の爪痕があり、観光地として訪れて初めて知る歴史がある
コロナが終息したらまたいろんな島を私も巡りたい。
しばらくどこにも行けてない鬱屈感が読んだことで薄まった。
Posted by ブクログ
島に歴史あり。
名前が知られた(メジャーな!)島から、おそらく素人は絶対に行かないだろうマイナーな島まで網羅した旅本。
コロナ禍の現在、なかなかふらっと旅に出ることは叶わないのだけど、(良くも悪くも)作者の主観がたっぷり盛り込まれているので、島への旅気分を味わえる一冊。
ちなみに、タイトルと本の内容には齟齬があるのでご注意を!(タイトルの禍々しさはない、どちらかと言うとのどかな紀行文です)。
個人的に、広島の大久野島のことを調べたくて手に取った本だったのだけと、他の島の歴史などにも興味をそそられるものがあった。
それにしても、どの島にも忍び寄る過疎化にはやるせなさを感じるなぁ。