あらすじ
アンダルシア地方の山岳地帯の麓にいまもくらす「洞窟の民」たち。文明に疲れ、大都市の生活に疲れ、人間関係につかれた人々は、なぜ洞窟をその棲家に選び、どのように暮らしているのか。その「持たない」「ゆったりとした」「ていねいな」生き方が伝える“鬱屈”を跳ね返すヒントとは。比較文明学者である著者が、端正な日本語でつづる。
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Posted by ブクログ
2023年の夏に、スペインのグラナダへ旅しに行った時のことを思い浮かべながら読みました。
山岳へ登っていくと洞窟群があり、あまり深くまでいかない洞窟でフラメンコが見られるということで行ってみた。
その洞窟は、白く塗られた横穴の建物で、壁には写真やフライパンなどの調理器具が飾ってあり、異世界に行ったような気分にさせてくれた。
一方で、夜に開催するということで、更に奥にある丘の方へは暗いので気をつけて行くようにとガイドブックに書かれていたのを思い出し、結局は行かなかったがどんな場所だったのだろうかと今でも気になっていた。
この本では、そんな洞窟で暮らしを営む様々な理由を持った人々について書かれており、本当の出来事なのだけど、何処か空想の世界のように感じながら読んでいた。強く思ったのは、筆者も、洞窟暮らしをする人々のような、自由を求めていたのではないかと思う。
私は、どちらかと言えば、そんな暮らしに夢を抱きつつ、やっぱり文明の中で生きる方が合っているというか、便利な生活でしか生きていけないような感情になった。こうして洞窟暮らしをしている人々の話を読ませてもらうことで、少しの間だけでも、息苦しい現代社会から解放された気分になり、また自分の生活に戻ろうという気持ちになった。
生きることについて考えさせられた一冊。
キャンプから帰ってきた後の、ふかふかのベットが大好きな私には、きっとこの生活はできないであろう。
きっと、誤魔化しながら、これからも今の社会を生きて行くんだろうな。