あらすじ
シド・ヴィシャスの生まれ変わりと囁かれる新進気鋭のパンクロッカーまなぶ。彼の前に立ちふさがる謎の宗教思想「仏教」! その教えにリアルパンクロックを見たまなぶは、恐るべき腕力を誇る老僧に導かれ、仏の道へと足を踏み入れる……。吹き荒れる暴力と悟りの果てに青年は何を見るのか。本邦初、ヴァイオレンス仏教解説!シャル・ウィ・ニルヴァーナ!!
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Posted by ブクログ
タイトル通り、シド・ヴィシャスの再来と噂される程パンクな「まなぶ」が、謎の老僧のナビゲートで時空を超えてブッダや仏教布教の重要人物に会いに行ってボコボコにされつつ仏教について学ぶ本
著者を知ったのはWEBの「完全パンクマニュアル」で、本も買った
そんなわけで、私はこの方のパンク思想を理解しているので、まなぶのキャラに違和感はない
ブッダの基本的なな思想として
世の中は思い通りにならない
自分の中に欲があるからこそ、その欲が叶えられないギャップに苦しむ
だったら、何もかもどーでもいいと思ってしまえばいい
そうすれば、嫌だという感情がなくなり、ハッピーになれる
そこに至った状態が悟り
生きているのもどうでも良ければ、死ぬのもどうでもいいし、そもそも布教もどうでもいいはず
だけど、何故か自分が悟った後に布教をしている不思議
仏教的な「悟り」を、「全体ドカーン」と表現している
例えば、机の上にリンゴが乗っていたとして
自分とリンゴと机の境界が無くなり、世界と自分が入り混じって自分に襲いかかってくる感覚
ただ、この悟りも瞑想しているときはそんな感覚になれるけど
辞めると元に戻っちゃうから、最終的な目標ではないよね、という解釈になっている
なので、冒頭の法悦に至っているブッダもちょっと違うのではないかと思うけどね
そんなブッダの悟りから、ブッダさんスゲーと弟子達が褒めそやし
ブッダ亡き後の上座部と大乗仏教の分裂や、中国に伝来して情報の齟齬による解釈の違い
そして、日本への伝来とさらに日本独自の解釈と変遷が描かれている
・パンクロッカーvs釈尊
前述の通り、瞑想をしても苦行をしても、やってる間は生の苦しみから逃れられるが
辞めてしまえば効果がなくなる
なので、この世は「無」であるという認識に至ったのが悟り
・パンクロッカーvs龍樹
日本では知名度が低いが、世界的には仏教思想のスーパースター(らしい)龍樹(ナーガルジュナ)
ブッダの悟りである「無」とは異なる「空」という概念
有と無を超えた「どうでもいい」を徹底したもの、でいいのだろうか?
ブッダの思想を再定義し、大乗仏教の理論的基盤を確立した
有でもなく無でもない、中道という思想
・パンクロッカーvs玄奘三蔵
仏教が中国を経由して伝来していく中で変化していく教え
唯識は、すべての現象や対象は、深層心理である「阿頼耶識(あらやしき)」が作り出した映像に過ぎないと見なす思想
華厳は、『華厳経』に基づく、釈迦が悟った「森羅万象が互いに関係し合い、一体となっている世界」を描く哲学
結局は世の中、何かしら繋がりを持って存在しているよねーという思想でいいのだろうか?
そして、変質していく中で「仏の呪い」と言った概念も作られる
本来は仏が呪うことなんてないけれど、現地に広まる風習や思想、そして布教のための方便として作られる
・パンクロッカーvs最澄
最澄を萌えキャラ化して天台思想と密教の解説
一方、空海は物凄い天才として描かれ、ちょっと現実的ではない成功に関しても「天才だからどうににかしたのでしょう」で片付けられる
日本で仏教が密教t結びつくと、不思議な力で色々な事ができるようになったり
いかがわしい風習も仏教の系列として取り込んでいたりする
元々の仏教はそんな事は一切言っていないのに、現代の於いて妙な描かれ方をする大元はこの辺にあるんだろうな
・パンクロッカーvs法然vs日蓮
浄土宗や日蓮宗の誕生
念仏仏教が誕生した経緯
ブッダ入滅後、修行しなくなる人が出てくるという言葉が誤解され
「修行しなくてもいい」という解釈がされる
とりあえず、「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」と一言でも口にすれば、仏が迎えに来てくれるという、何とも庶民には嬉しいお手軽なものになる
それにしても、この解釈はこの本を読んでる限りは無茶苦茶な理屈なんだけど、本当にそうなのだろうか?
・パンクロッカーvs禅僧
禅宗の成立過程と、坐禅の理由
坐禅にも黙照禅と看話禅があるのは、京極夏彦「鉄鼠の檻」を読んでたので既知
公案をやるのは看話禅の方
それにしても、公案にも答えがあるようだけど、結局は哲学だからな
「ない」が「ある」とはどう言う意味か? を手を変え品を変え問うているような気がする
私の仏教の知識なんて、手塚治虫「ブッダ」とか、京極夏彦を読んでるくらいのもので
体系立てて学んだわけではないので、この本でざっくりとでも概要を知れたのはよかった
密教と結びついて怪しげなミラクルパワーの胡散臭いイメージが付いた経緯を知れたし
「悪人正機」の本来の意味は、悪事を働いた悪人ではなく、修行しない人の事だとか
何故念仏を唱えるだけで極楽に行けるのかという、前々からの疑問の答えらしきものを知れたのはよかったな
やはり、日本の仏教は本来の仏教とはかけ離れてるなぁと改めて思う
でも、現地のインド仏教はほぼ廃れてるし、中国や東南アジアの仏教にしても、それぞれ独自の進化を遂げているわけで、もう何でも有りと言えばそうなのかもしれない
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新進気鋭のパンクロッカーまなぶは、ふとしたきっかけで“仏教”と出会います。
はじめは難しさ、厳しさにとまどうのですが、まなぶが目指す
リアルパンクロッカーになるのに仏教が役立つことに気付きます。
主人公のまなぶと釈尊(釈迦)、龍樹、玄奘三蔵、最澄、空海、法然、日蓮
といった仏教界のスーパースターたちが殴り合いながら悟りの境地を
目指す青春物語。そしてパンク・スピリットと現代的な喩えで仏教の
思想・哲学・歴史を学べるまったく新しい仏教の入門書です。
ニコニコ動画の仏教講座で知られる“リア住”(リアル住職)こと、
真言宗大僧都の蝉丸Pも推薦。
(著者より)「教養として仏教を知っておきたい」
「仏教の大体のところを気軽に学びたい」という方のための、
肩のこらない入門書です。
これ一冊読んでおけば、日常会話での仏教トークは9割までカバーできると
思うので、気軽に知識を増やしたい大学生や社会人の方に特にオススメです。
本気で勉強したい人にも、最初の一歩として取っ掛かり易い一冊だと思います。
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プロローグ パンクロッカー仏門に入る 6
第一章 パンクロッカー vs 釈尊
苦と悟り/四門出遊/降魔成道/三昧体験/十二支縁起
梵天勧請/初転法輪/無常と五蘊非我/在家への説法/般涅槃
第二章 パンクロッカー vs 龍樹
根本分裂/大乗仏教/ジャータカ/『中論』
戯論寂滅/誓願とミラクルパワー
第三章 パンクロッカー vs 玄奘三蔵
中国からの伝来/仏の呪い/仏教と十七条の憲法
奈良時代の仏教信仰/唯識/華厳思想とエコロジー
第四章 パンクロッカー vs 最澄
最澄と空海/両界曼荼羅/大乗戒壇/久遠の本仏
諸法実相/五時八教/秘密の教え/即身成仏と六大無碍
第五章 パンクロッカー vs 法然 vs 日蓮
鎌倉新仏教/『往生要集』/専修念仏
一念義と多念義/『立正安国論』/南無妙法蓮華経
第六章 パンクロッカー vs 禅僧
修証一等/黙照禅と看話禅/公案/悟後の修行
【コラム】
釈尊の悟りについて/縁起と全体ドカーン/仏教、辛気臭え!
南都六宗テキトー解説/悪人正機/鎌倉新仏教とリアリティ
仏教で遊ぼう ~ファッション仏教~
エピローグ
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Posted by ブクログ
著者の「仁義なきキリスト教史」を楽しく読めたので、仏教も書いていたことを知り、こちらも読んでみた。
釈尊の目指したところが、「何もかもどうでもいい」という境地だというのは、今の一般的日本人のの考える仏教観からすると意外に思える。
いわゆるブッダが涅槃に入ってからは、当時の他の宗教や中国でのいろいろな考え方にもまれ、日本に伝わってからもさらにいろいろと変化してきたという仏教史が、おもしろくしかも簡潔にまとめられているので、読んでいて飽きてこない。
末那識(まなしき)、阿頼耶識(あらやしき)などの説明は非常にわかりやすい。女子高生をみて感じる感覚が阿頼耶識に溜まっていくのか、なるほど。
Posted by ブクログ
細かいレビューは後日書きたいのだが、日本の宗教に興味があったので非常に面白かった。 途中の挿話が時折というか一貫して馬鹿馬鹿しいレベルに下品。ここまで来ると笑うのも疲れるレベル。笑
Posted by ブクログ
略して『もし仏(ブツ)』。
パンクロッカーまなぶが,時空を越えて釈尊,龍樹,玄奘をはじめとする仏教の巨人とバトルして,仏教史を旅していくという異色の入門書。まったくもって意味不明な設定かと思いきや,「何もかもどうでもいい」という仏教の悟りとリアルパンクの精神には共通点があるんだとか。最澄が萌えキャラだったり,法然や日蓮がラッパーだったりするのもふざけてるようでいてなかなか深い。
とっつきにくい仏教だって,ファッションパンクみたいに楽しんじゃえばいいのでは?という気分で書いたとのこと。蝉丸P住職による解説も良い。
Posted by ブクログ
会場は興奮の坩堝 リズムキープという己の職責を忘れて 稚拙な演奏 菩提樹 仏陀伽耶ブッダガヤ 法悦 恍惚の中で餓死しようとしている 我が意を得たりとばかりにニヤリと笑いかけた 苦 一切皆苦 悟り 解脱 紀元前のだいたい五百年くらい イスラムのムハンマドが五七〇年頃の生まれ 天上天下唯我独尊 アシタという仙人 いつも鬱々としている暗ーい子 難産 出産後に実母が亡くなっていた 紛う事無きニート思想 瞑想と苦行 因果関係確定法 それに基づく論理的な現実認識を完成させます(世界を論理的に理解したのです) 先の観察型瞑想法により生存欲求を絶つことに成功します 認識と感覚が分断されて 自分の行動や心の動きを冷静に客観的に分析 全てを「他人事」のように感じるようになる 智慧 「煩悩を滅した」境地に達したゴータマさん 仏陀(目覚めたもの) 釈迦牟尼世尊しゃかむにせそん、略して釈尊しゃくそん 三昧体験 この感覚を「全体ドカーン」と呼称します 諸説紛々 「根本的な生存欲」が無明ということにしておきましょう ブラフマー 憤懣やるかたないぜ 五比丘ごびく 中道=どっちも程々にね! 四聖諦ししようたい=四つの聖なるホントのところ 八正道 永遠普遍の正義 諍いの原因 柔軟性 無常=ほぼ全てのものは変化し続けて永遠には存在しない 五蘊非我ごうんひが=五つともアートマンではなく全部非我 おそらく彼にとって、「アートマンではないものをアートマンと勘違いする」のは解脱する上で大きな問題でしたが、「本当のアートマン」を特定する必要は特にない、と考えていたのでしょう。 慈悲=他人への思いやり 大乗仏教 わずら煩い はつねはん般涅槃 呵々大笑 あらはん阿羅漢 りたぎょう利他行 詭弁をろう弄したかったわけではありません 龍樹の縁起観により世界は全部相互依存によって成り立っていることもわかったのです 六波羅蜜や十波羅蜜 バラモン教が民間宗教に接近してヒンドゥー教へと進化 マントラは一種の呪文 遮二無二 中国ナイズされた仏教 玄奘三蔵 原典を求めてインドへ 物事は常に自分が知覚した形でしか認識できない 経験データの総体(阿頼耶識あらやしき)をうっかり「自分」だと勘違いしちゃうのが末那識まなしき 唯識自体が究極的には無意味 けごん華厳 さいちょう最澄たん 神道と山岳信仰 修験道 千日回峰行 唐の大都会である長安 天才ルーキー空海 サンスクリット語を四ヶ月程でマスター 高野山を下賜かし とうじ東寺はさいじ西寺とセットで都を鎮護 徳一 ナンミョーホーレン法華経 方便 敬う やおよろず八百万の神 一念三千は天台宗のスローガン 真言宗の即身成仏 法然ちゃんは南無阿弥陀 日蓮ちゃんは南無妙法蓮華経 互いのリリックをビーフし合ってる 鎌倉新仏教は「庶民にも分かり易いヘンテコリンな仏教」と捉えて下さい 相互扶助組織 一念義と多念義 親鸞は公然と妻帯していた 忍性にんしょう日蓮ちゃんといえば佐渡に流罪るざいになった折 「本当に元気」でなければ殺す覚悟も殺される覚悟も持てません 自覚は信仰とも言えますし思い込みとも言えます。強烈に思い込めば強烈に元気になるわけです。 宗教には本当は道徳的な善悪などなく、あるのはただ人間が発散する巨大なエネルギーの畝りだけなのかもしれません。 排他性は単純化にも繋がります 疾風迅雷 警策きょうさく 悟りの解釈は大乗仏教になって変質した それをカバーするのが禅問答 家に帰るまでが遠足であり、言語世界に帰るまでが悟りなのです。 りょうかん良寛は越後の出雲崎の名主の長男として生まれ 蔑称 唾棄すべき存在 淡々とした文章ながら捻ったツッコミで笑いを誘うもの 辛辣な批判 昨今の世相を鑑みるに 「シッダールタ輪廻やめるってよ」 ウェブ世代に限らず仏教の見せ方の新たな地平を開いた一冊