あらすじ
ロボットデザインのトップランナーが語る、「ロボットのいる未来」へのデザイン論
鉄腕アトムからアシモ、ペッパーまで…完全な形の「人型ロボット」の実現の道のりは遠い。
しかし、私たちは「人にそっくり」なロボットを本当に必要としているのだろうか?
建築家・丹下健三の薫陶を受け、その後渡仏。帰国後にロボットのデザイン、開発に関わってきた著者が、
キャリアを振り返りつつ、デザインの本質を思索する。
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Posted by ブクログ
読みたくて表紙だけ眺め続けて1ヶ月くらい経ってしまった松井龍哉さんの「優しいロボット」をようやく。
ロボットやAI、科学技術なる分野の本を読むこと自体がほとんどない経験で、読み進められるのかは、正直不安でした。
序章の「ロボットを"デザイン"するということ」から馴染みのない文字を読み進め理解したような、そうでもないような、なんて考えながら読む。そのうちにさらさらとページが進んで第2章「優しさに包まれたなら」。
ずっと無機質だと感じていた(映画や物語に出てくる以外の現実の)ロボットへの考え方が、自分の中で少し柔らかく変形したと思います。ユーミンを聴きながら読む、博士の優しさへの追及や、環境に適する便利さ、そして美しさについての考え方は、大きな感情で、でも穏やかでなだらかな印象を受けました。
そのあとのPosyの生まれるまでの話からは、もうこの本はどれだけ愛に溢れているんだ、と!
この本は、著者の凄まじい熱意やポリシーの中から生まれた、大切に扱わないと脆く壊れてしまいそうな「優しさ」の概念の話で、ロボットの美しさが優しさに繋がると、はじめて知ることが出来た大切な、そして未来に繋がる一冊となりました。
内容関係ないところだと、移動中や寝転がりながらとか体勢を気にせず読めるソフトカバーがありがたかったし、表紙のさらっとした手触りも優しいと感じた部分でした。