【感想・ネタバレ】埴輪は語るのレビュー

あらすじ

「王」の権力を見せつけるため造られた、古代の巨大建造物、古墳。そこに据えつけられた埴輪は、古墳を荘厳に見せる飾りであり、家形・動物形・人物形とバリエーションが増えることで多彩なシーンを再現するようになる。盛装した王を中心とした水の神をまつる祭祀のシーン、猪・鹿・鷹などの狩猟シーンなど。しかも複数のシーンは一本化され、立体絵巻のようにビジュアル化されている。治水や狩猟など王の業績をアピールして、治世の正当性を主張しているのだ。大量の埴輪生産を可能にした、工人組織の存在や社会的な“ゆとり”まで、埴輪が語る古墳時代の社会を読む。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

埴輪に焦点を当てた一冊です。
埴輪にはどんなものがあって、どのような発展段階をたどり、時期が連動する前方後円墳をはじめとする「古墳」とどんな関係があるのか…
などなど、埴輪を中心とした古墳時代の様子が
図版多めに述べられていました。

歴史事象は、決して簡単に鵜呑みにできるもの
ではないことはわかっているつもりですが、
強烈に印象的だったのは、

「チラ見せの埴輪」でした。

中では、肩すかしのような戦術だと言われています。きっと初めて見た人は、きっと一瞬息が止まるのではないかと思います。

この、息が止まって、見ていられなくて、
気持ちがブレて、たじろいでしまう。
これが、戦術か…。と変に納得した部分が
ありました。

もう一つ言うならば、

「女子用の馬形埴輪」です。

鞍の中ほどに、横座りした時に足を置くステップがついているんだそうです。
今どき女性でも乗馬する時はまたがっていると思うのです。しかしこの時代は、どうやらまたぐ
などという、ある意味「女性らしくない所作」
に対する意識が強いように感じられます。

土偶でも横座りして赤子を抱くタイプがあったと
思いますが、この精神が通じているのかな?と
考えました。


正直この本を読んで埴輪に対する知識も少しついたと感じますし、仏教が導入される以前までの
アニミズム的な、メイドインジャパンの考え方が
埴輪や古墳に現れていると思いました。

古墳を作れるほど妙にゆったりした時代はなかったのかもしれないと感じます…おそらくヒマだったわけではないでしょうけど。


実際の古墳や埴輪を見に行きたくなりました。

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2023年09月23日

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