【感想・ネタバレ】東京脱出論のレビュー

あらすじ

「デフレの正体」「里山資本主義」の著者、 地域エコノミストの藻谷浩介と
島根県邑南町のスーパー公務員、 寺本英仁が語る
アフターコロナを幸福に暮らすための「場所」「仕事」「生き方」論

高い家賃、狭い家、通勤ラッシュ、南海トラフ地震、
コロナのリスク、リストラ、孤独、無駄なマウンティング
…それでも都市に住み続ける意味とは何か。

今、 田舎のほうが、暮らしに誇りが持てる世の中だ。僕は「地方の誇り=ビレッジプライド」だと考えている。これからは、消費に以前ほどの幸せは感じない時代が来るという。それよりも、働くことによって、自分の存在価値を示し、「ビレッジプライド」を自分の心の中に醸成していく時代に変化していっている。そして今こそ、人と人との交流や物流を支えるための「社会資本力」が必要な時期だと思う。地方には、都市部にはない繋がりが従来から残されている。この繋がりこそ、尊い地方の財産だ。―――寺本英仁

「コロナで日本が変わる」というが、本当だろうか。そうではないだろう。新型コロナウイルスが改めて教えてくれるのは、日本がどうにもこうにも「変わろうとしない社会」であるということだ。「日本が変わる」と他人ごとのように言っていないで、この機会に「自分を変える」というところに踏み出さないと、結局何も変わらないし、変えられない。日本が変わるのを待っているのではなく、先に「自分を変える」人が、日本人の中に1%だけでも出てくれば、その1%が、変われない日本を変えていく。―――藻谷浩介

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Posted by ブクログ

鳥取県にある邑南町。高齢化率43%で主要産業は農業。
A級グルメの街。

筆者は邑南町の公務員の寺本英仁さんとの対談を通じて、地方の魅力や東京一極集中の怖さを説く。2020年秋頃の出版なので多少古い部分はありますが、東京一極集中の怖さは変わらないと思いました。疫病が発生したら逃げ場のない状況は特に映画の様なパンデミックを想像してしまいます。
邑南町については人口1万人あまりの街だからこそ、ひとの顔が見えてくる。
本作では日本のコロナ禍という事で日本全体を一括にすることに警告を鳴らす。地方の方が人口の制約もありコントロールしやすいのかもしれません。
また地方では医療崩壊が起きにくいことも、人の顔が見えているからこそなのかもしれません。

勿論、東京の魅力も大切だと思いますが大切なのは中庸の考え方なのかなと思いました。マスコミによる情報に踊らされるのでなく、自分の目で見て考えることも大切かなと。

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2021年05月04日

Posted by ブクログ

地方での生活の良さをアピールしている本。都会が良いか地方が良いかは、人によって考え方が違うのが当たり前なので、どちらが正しいという事は無いが、田舎で暮らす自分にとっては、著者の意見に同意である。

以下は完全な私見。
特にコロナ禍となり、在宅勤務が当たり前になった今、人口密度の高い東京に全く魅力を感じられない。人間の慣れとは恐ろしいもので、便利な生活が当たり前になると、周りの人より良い生活をしたいと更に上の生活を求めるようになる。
田舎の生活が当たり前になると、特に不便を感じる事なく、自然も多いせいか、すごく住みやすいです。

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2021年04月03日

Posted by ブクログ

コロナ禍は地方のチャンス。従前の地域活性化は都市部との交流を目指していたが、交流でなく地方への移住、業務の移転で都市部が衰退していくのが現実になりそうだ。

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2021年02月23日

Posted by ブクログ

島根県邑南町はコロナ出ていないのかなあ。人口一万人だから一人ですと大変。都会の方がいいと思います。ネットがあると思うが、送料などかかるし

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2021年01月15日

Posted by ブクログ

・ドイツやスイスみたいに地域内でお金を回せる田舎と、日本の多くがそうであるように回せない田舎とで、差がついてくる。

・田舎を「過疎」だというのは過密の東京からの偏見で、田舎こそ「適疎」

東京にたまに行くくらいがちょうどいいなと改めて感じる。オンライン対談という手法で本が完成されているのがユニーク

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2020年12月13日

Posted by ブクログ

個人的には、東京を脱出してというか、日本脱出を10年ぐらいやっていたが、
日本にも、世界にも、自分にとって最高の場所はないと思う。
どこに住んでも、本人の心持ち次第で、地獄にも変わるし、天国にも変わる。

コロナ禍で、人口過密都市は、様々なリスクがあると思うが、
日本自体が、世界の大地震の2割が発生する自然災害王国だから、
様々なリスクから避けられる場所は、日本にはない。
リスクを考えたら、まともに生きることができないだろう。

沿岸部は津波の被害、山間部は土砂災害、平野部は、洪水と、
安全、安心な場所は存在しない。豊かな海や山があるというのは、
いつか必ず災害が起こるということである。

私は東京出身だが、以前は、東京の暮らしが大嫌いだった。
それでアメリカや中国、東南アジアに仕事や留学で合計10年以上は住んだ。
中学校の頃から、ラッシュの電車に当たり前のように乗っていたが、
都心に行けばいくほど、私にとっては息苦しくなり、
また、そこで暮らす人々もロボットのように思えて仕方なかった。

ここ10年、1年に1回ぐらい東京に戻る生活をしていると、日本の衰退ぶりが、よくわかる。
最初の方は便利な場所、東京だったが、今は、アジアその他の都市と比べても、
不便で、人もますます閉鎖的になり、ぎすぎすして、
完全に世界の潮流から取り残されている。

マクロ統計を見ても、その悲惨ぶりがよくわかる。
日本企業に限ってみれば、グローバル展開して成功した会社は、ほとんどない。
だいたい失敗した。またグローバル化に成功しても、従業員にとってはなんもよいことはない。

92年のフォーブス世界時価総額TOP500に日本企業は半分以上を占めていたが、
現在20社もない。先進国諸国で最も労働生産性が低く、休日も少ない。
一人当たりのGDPは韓国、台湾、沿岸部中国の都市のそれよりも低くなった。
またこの20年で1世帯当たりの家計所得が3割下がった。
コロナ禍で、ダントツ失敗している政治を行っているのが、日本。
だいたいのアジア諸国は、コロナを克服して、成長軌道に乗り始めている。
日本は、今現在でさえも、ぱっとしない。

コロナ禍と父親の病気の面倒を見るため、10年ぶりに東京に長く住んでみると、
東京はいいなと思った。
車で2時間圏内に、最高の海や山があり、温泉があり、豊かな自然がある。
海外を見ても、こんな良い場所はないなと思う。
また、新潟県にワンルームマンションを以前購入したので、
しょっちゅう新潟県内や、群馬、栃木の観光名所に行くが、本当に素晴らしいと思う。
インフラも整っているし、水もおいしい。
東京から数時間で最高の場所にいける。
また近場でも、水郷公園や臨海公園もあり、きめ細かな管理をしているせいだろう、
ほんと素晴らしい環境を保っている。
ただ、そこに暮らしている人は、なぜか、みな一様に暗い。
不思議で仕方ない。

確かに東京は過酷な場所だと思う。
人とのつながりはできにくいし、変態も多い。
西池袋に行くと、気持ち悪いおっさんが10代と援助交際しているのを、
よく見かける。ほんとに、気持ち悪い奴が多い。

一昨年、東京に戻った時は、1週間で2回痴漢が捕まる現場を見た。
もう、人間が狂いはじめていると確信した記憶がある。

東京の中心に住んでいれば、公園も小さく、
緑が少ない。そういう場所で子供を育てると一体どうなってしまうんだろうと、
少し心配してします。
利便性を追求したバカでかいマンションがたくさんできて、
衣食住には全く困らないが、肝心の心が崩壊しかかっているような
印象を受ける。

東京は、金を稼ぐ場所、そのために、地縁も何もない人がただ集まってくる顔がある。
本当に寂しそうにしている人がたくさんいる。
東京は稼ぐことを中心にして建物も人間も吸い寄せられているので、居心地が
悪くなるのも無理はないと思う。私の母親は地方から出てきたが、東京は本当に寂しい場所とよく言っていた。

外国の都市に長く住んでみてわかるのは、東京で幸せを感じて暮らすのは、かなり大変だと思う。
大変だが、可能、しっかり、自分の暮らし方、精神的な拠り所や、具体的な場所等あれば、
東京はよりよく生きるた上で最適な場所だと思う。

地方に住んだら、住んだで、東京とは、「また違った問題」が発生する。
世界各国、また東京や地方に、それぞれ住んだ経験からわかったことは、
どこに住んでも、「自分が抱える問題」に、必然的に直面する。
自分の問題からは、決して逃げられないということだ。
どんな環境の良い場所に住んでも、3か月で飽きる。
海が見える場所に住みたい!と思ったら住んでみればいい、冬は寒いし、
天候如何で海が激変し、怖いと思うにしかたない。
車やバイクもすぐに錆びる。

一度やってみるのがいいかもしれない。
自分にとって最高の条件を提示してくれる場所など、存在しないことがわかるから。

どんな場所にも、一長一短というか、そもそも、人間が住んでいるところは、
必ず「問題」が起こる。それを受け入れるしかない。
都心なんかは、そういう問題に直面したくないから、
人間とかかわらないようにする人が多いが、
人間と良質な関係を築き、関わらなければ、
人生は、本当につまらないと思う。
いわゆる、都心で御洒落タウンとしている場所も、
流入出率が異様に高いとわかるだろう。それがなぜか、考えると色んなことがわかってくる。
それが嫌で、どこか山奥に住んでもいいが、現実はそんな甘くない。

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2020年12月03日

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