【感想・ネタバレ】不老不死ビジネス 神への挑戦 シリコンバレーの静かなる熱狂のレビュー

あらすじ

米国では、グーグルやアップル、アマゾンのような巨大企業が名もないスタートアップ企業に巨額の投資をし、著名な生物学者、医学者、遺伝子工学の研究者、そしてコンピューター科学者の引き抜きにしのぎを削っている。従来の老年医学とは異なるアプローチで新技術を開発し、人間の老化を根本から抑えることを目指す。その結果、がんや心臓病、アルツハイマー病などさまざまな老人性疾患が消滅する可能性があるとする。その先には、飛躍的な長寿社会の到来が予想され、不死の世界すら不可能ではないとする見方もある。

著者は、最先端の不老長寿テクノロジー企業の創設者、投資家、研究者らに長期間インタビューし、不老長寿/不老不死ビジネスの最前線を克明に伝える。最新の研究動向に加え、次世代テクノロジーに賭ける米国の投資家たちの熱意や、シリコンバレーの人脈図、ベンチャー企業誕生までの裏話がつぶさに描かれている。とりわけ、グーグルが2013年に設立し、完全な秘密主義の中で活動している新興企業、キャリコ誕生までの経緯を追った部分は、本書一番の読みどころになっている。

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Posted by ブクログ

私にとっては、シンギュラリティで有名なレイ・カーツワイルについて、幼少期から死後の冷凍保存の予定までの盛り沢山のエピソードを知る貴重な書だった。

1965年、「クイーンズ出身の小柄で行儀のよいユダヤ人の少年」は有名テレビ番組に出演、17歳にして音楽を作曲する手作りのコンピューターを披露。MITでは学期中一度も顔を見せず1時間ほど本をざっと眺めただけで物理学の試験でA。臨床的な死の後に、新たな治療法が見つかるまで自らを冷凍保存する予定のアルコーについては、保管状況などが生々しく紹介されている。

ナノテクノロジーは進化し、人工知能アルゴリズムは日々忠実にホモ・サピエンスの死の謎を解き明かしにかかっている。永遠の生を探求する人間は他にもいたかもしれないが、あきらめない強い気持ちを持ってこのメッセージを主流に押し上げた人間はいなかった。彼は「世界を変えた」。

この本には他にも錚々たる主役がいる。ラリー・ペイジ(アルファベット共同創設者)、アーサー・レビンソン(アップル会長)から、ピーター・ディアマンデス、オーブリー・デ・グレイ、クレイグ・ベンターなど圧巻の登場人物によるビビットなエピソードが満載。シリコンバレーでの発想のスケールを体感できた気がしてくる。著書は元CNN支局長で著名誌で執筆するジャーナリスト。

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2021年12月08日

Posted by ブクログ

「ライフスパン」等のヒットで、最近話題の老化についてビジネス寄りに解説された一冊。グーグルが老化関連の会社に投資しているという話は聞いたことがあったが、どれくらいの規模で誰がどのようにどういった研究開発を進めているのかどうかは知らなかったが、本書を読めば全貌をつかめる。ビジネスだけではなく、ゲノム・幹細胞といった生化学的な話も出てくる。中でもレイ・カーツワイルのナノロボットを使って老化(病気)を解決するという発想が、一番未来感があって面白かった。

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2021年08月26日

yy

購入済み

老化研究の概要は理解できるが、やや冗長な表現が多いかな。
飛ばし読みしながら、関心に合わせて深読みするくらいでちょうどよい感じ。

#アツい #エモい

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2022年06月11日

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