あらすじ
歪んだ街を疾る、ハイスピード異能バトル!
悪党たちが巣食う街、旧都トーキョー、通称ロストマンズ・キャンプ。
“植物を金属状に変えて操る”異能を持つ未那は、覆面のヒーロー「ビークヘッド」として活動しながら、母を亡くした十年前の事件について探っていた。
あるとき、ビークヘッドの正体について示唆する手紙が届き、未那は差出人のもとに赴く。モーテルの一角で対峙したのは、“存在を感知されない”異能を持つ、フリーランスの運び屋・東だった。
東は、未那をマフィア「名誉ある橙」の相談役である前堂に引き合わせる。
未那は前堂と取引することで、因縁の敵であるヴィトーの居場所をついに突き止めるのだがーー。
映画のようにスタイリッシュな物語と、圧巻の描写に熱狂する。第15回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公にあたえられた超常的能力はかなりのものなのだけれど、敵も強いし、正体をかくして孤独な戦いを続ける上では、なかなかいいバランスだったと思います。敵を個人的に恨んで復讐をはたそうとするのではなく、社会そのものをより良くするという発想もなかなか斬新で、そういう主人公の造形がとてもリアルで納得のいくものになっていたのも良かったです。
主人公が万能ではないので、周りの助けを得ながら戦っていくあり方も良かったですし。なかなか気持ちの良いシリーズでした。
Posted by ブクログ
治安の非常に悪い、無法都市と化したロストマンズ・キャンプを舞台に繰り広げられる異能力とマフィアのアクション。
地の文がぎっしり。情景描写がとても繊細で、キャラクターの抱く葛藤や悩みなどが読んでいて分かる。またキャラクターに盛られた設定がとてもよかった。気配を殺すことが出来る異能力に、植物を金属状に変化させて戦う異能力など珍しさが目を引く。
キャラクター同士の掛け合いもよかった。まるで洋画を見ている雰囲気のある軽口の応酬。ああいう軽口の応酬が入るのは個人的には好み。言葉選びにはセンスがあるので見習いたいところではある。
ただ個人的に言えば、そう、これは感想だから言わせてもらうけれども、主人公が善人というか……悪党じゃないから何とも言えないけれど、復讐を望むなら「ぶち殺してやる」ぐらいの螺子の外れ方が見たかった。
いい子っぽいけど弱い部分もあって、けれどやっぱり芯の強い部分もある。素敵な子だと思う。私自身の好みではないけれど、作品的にはいい主人公だと思う。
あくまでこれは私自身の感想なので、あしからず。
治安が悪いなら殺人の1回や2回ぐらい起きてやくれねえかと思ったけれど、主人公は虫も殺さなさそうな人だから仕方がないね。
面白かったです。それは間違いない。