あらすじ
人と異なる銀髪と赤い瞳で実の母親に厭われ、侯爵家の養女として育ったアナスタシア。自信を持てずにいた幼い自分を慰めてくれたオーランド殿下に憧れ努力してきたアナスタシアだったが、妃候補を辞退し、誰とも結婚せず殿下への想いを秘めておくことのできる修道女になろうと心を決めていた。そこへ、彼女の決意を知った殿下がやってくる。アナスタシアとの婚約を進められない複雑な理由があるらしい。自分を信じて待っていて、と強く抱擁されたアナスタシアは、繋ぎとめるように淫らな愛を注がれて―― ※電子版は単行本をもとに編集しています。
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Posted by ブクログ
容姿のせいで実母に疎まれ、一部の貴族にも嫌われ、ゆえに自信のもてなかったアナスタシアが、最終的にオーランドと一緒になるために自ら行動できるようになるとは。
素晴らしい成長ぶり。
聖女として、王妃として、彼女は物語の初期とは比べ物にならないほどの重荷と責任を背負うことになったが、今の彼女ならば大丈夫だろう。
それでいて、閨ではいつまでも初々しいのだから、オーランドも骨抜きになるだろう。
番外編では積極的に彼を気持ちよくしようと努力しているし。
努力の方向性が違う気がするけれども。
オーランドの方は、アナスタシアへの想いは本物だが、如何せん常に後手後手。
王太子なのに味方少なくないか、彼。
だからアナスタシアの教会行きを止めようとして、寝台に引っ張り込むという荒技に出てしまう。
想いは通じ合えたけど、後の展開から鑑みるに、これ結局成功していないような。
あんなにおどおどしていたアナスタシアが最終的にはヒーローばりの頑張りを見せるので、オーランドは寝技に持ち込むばかりでなく、もっと頑張れよ!とツッコミを入れたくなってしまった。
最後は何とか根回しが間に合ったのはよかったが。
キャラたちの活躍がこちらの予想の全く逆を行ったことに驚かされた物語だった。