あらすじ
あるトラウマが原因で教室内では声が出せない“場面(ばめん)緘黙症(かんもくしょう)”を患っている高2の柚(ゆず)葵(き)。透明人間のように過ごしていたある日、クールな陸上部のエース・成瀬(なるせ)がなぜか度々柚葵を助けてくれるように。まるで、彼に自分の声が聞こえているようだと不思議に思っていると、成瀬から突然『人の心が読めるんだ』と告白される。少しずつふたりは距離を縮め惹かれ合っていくけれど、成瀬と柚葵の間には、ある切なすぎる過去が隠されていた…。“消えたい”と“生きたい”の間で葛藤するふたりが向き合うとき、未来が動き出す――。
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Posted by ブクログ
生きづらさを抱える2人のお話で人の暖かさ、冷たさを感じ人の不安定な所を嫌いな人もいるけれどそこも含めて全員全く違う人間という存在なのかなと思った
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別感想
なんとなくスターツ出版の文庫のような小説を子供が読むような泣かせにくる小説だと思っている人はすぐに考えを変えてこの本を読んで欲しい
ほぼ生きている人全員考えたことがあるだろう死にたい消えたい。
そんな感情を持つのは悪いことでは無い
しかし本当に消えてしまえる手段を持ってしまったら?貴方はどんな考えを持つのだろう?そんな手段がこの小説では感情が読めると言うことになっていてその能力を持つ男子と場面寡黙症の女の子が出会うお話だ。
女の子は帰国子女で日本語の発音、文化の違い沢山の困難があり、指摘されたりいじられるたび心を殺して生きてきた。そして心の中で消えたいと思っていた。
感情が読める男子は親から目立たず生きろと楽しみや生きがいを全て奪われてきた
そんな人が消えたいと思っている子が周りに居たら変わってくれよと思うのは必然だろう
そして男子は女の子に酷い言葉を浴びせてしまう
そこがきっかけになり女の子は場面寡黙症になり中学も一人でいじめりたりもしていた
高校生になった2人は再開するが男子は親とのルールで高校生から本名で生きることができた
だから女の子は場面寡黙症のきっかけを作ったのがその男子とは分からない
そんな2人は仲が近付いていくが男子の方に高校生が抱えるには酷な出来事が重なりすぎてしまった、そして感情が消せる手段の自分に関わる人の記憶を全て消す事を決意してしまった
そして女の子の記憶を消す時女の子が敬愛している画家の1番好きな作品のコメント
君は透明になる前に自分の気持ちを叫びなさい
この文章を直前に思いだし心の中で叫ぶと記憶が消えることはなかった
ここで私は泣いてしまう
この画家は男子の親戚で心が読めた
未来の見える愛する家族との間に子供ができて自分が死んでしまう未来が出来てしまう
運命を変えてしまい男子が心を読む業を背負ってしまう
私は子供が出来たことがないし動画などでしか赤ちゃんは見たことは無いが自分の愛する存在が増えるということは泣きたくなるほど無性に愛を注ぎたいし叶うなら自分の手に居て欲しいとは思う
そして2人はそんな業に罪悪感で心を閉ざしてしまう
そんな画家が自分とは同じ未来を歩んで欲しくない思いで愛する人を描き同じ人を変えたい思いでこんな言葉を残したのではないかと思う
人と違うという点は長所と短所が同時にある
だからこそ1歩1歩進んで間違えてしまったことは誰も同じ間違いをしないように手の届く範囲で正し導く
とにかく苦しみもちゃんと肯定してくれているが、そんな苦しみを熱望する人も居ることをきちんと理解して欲しい。人の苦しみの大きさは全く見えないのだからそんな言葉を思うとても暖かい小説だった
Posted by ブクログ
自分も話したいと思うことを上手く言葉に出来ない事が多くて、心を読んでもらえたらいいのにってすごく思っていたから、この作品に出会ってすごく感動した。こんな青春したいなって心から思った。好きな人を思いやるのってどこまでがその人の為でどこからがエゴなんだろうと思った。
青春×感動の読みやすい小説だった。
匿名
存在を消したい
小学生の時にいじめにあった事がトラウマとなり声が出なくなり保健室登校をしていたが放課後は美術部員として1人美術室で絵を描いて過ごしていた。唯一の楽しみは校庭で風を切る様に走る彼をスケッチして密かに憧れていた、クラスの人気者の彼は相手の心からの声が聞こえてらと言う不思議な能力を隠して生きて来た。家族からも距離を取られていた。そんな2人の出会いは過去の出来事も含め色々変わっていくきっかけとなる。