湯之上隆のレビュー一覧

  • 半導体有事
    半導体を微細化するには天文学的な投資と大量の優秀な技術者によるトライ&エラーの積み重ねによってようやく実現できるのに、微細化に取り残されて40nmの半導体しか作れない状況で、一気に2nmの量産化を目指すのは無謀だということがよく解った。
    TSMCの依存から脱するためにファウンドリを育てる重要性も理解...続きを読む
  • 半導体有事
    熊本へのTSMCの工場進出と北海道千歳のラピダスの立ち上げによって、日本の半導体はかつて世界を席巻した輝きを取り戻せると思っていた。しかしこの本を読む限りそんなことはとてもあり得ず、とんでもない楽観的妄想に過ぎないことを思い知らされる。そして強いと思っている半導体の製造装置や材料分野もシェアや伸び率...続きを読む
  • 半導体有事
    半導体のサプライチェーンのチャート、関連企業のランキングやその推移などのデータが豊富で全体を把握しながら読み進められてよかった。

    筆者のスタンスは明確なので、ーー日本の政策は経産省が前面に出てきている時点で失敗する、ラピダスの戦略は前提に疑義あり、半導体産業のグローバル化は必然であるーー
    それを前...続きを読む
  • 半導体有事
    アメリカの中国への半導体規制に始まり、ロシアとウクライナの戦争による半導体製造への影響。
    日本の半導体政策への戒め。
    TMSCのファウンドリとしての圧倒的な強さに、ファブレスの台当があったこと。また成功の裏にASMLの露光装置のEUVの存在があるとのこと。
    半導体について内部構造や製造のプロセスなど...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    少し前にシャープが経営破綻したのは何故かということを調べるために、関連の本を数冊読んだ。シャープの場合には、液晶の事業経営の失敗が会社の破綻に結びついた。本書で取り上げられているのは、同じく電機業界であるが、主に半導体である。
    かつて、日本の電機メーカーは、DRAMの分野で世界シェアの80%を占めて...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日本企業のDRAM全盛期時代に日立製作所に入社、その後エルピーダメモリに出向、日本の半導体産業に警鐘を鳴らし続けている湯之上隆氏の著書。

    一言:サムスン強え(いろんな意味で)。ヤクザかよ…。
    おもしろかった。以下学び↓

    ・日本の「イノベーション」=「技術革新」という認識が、イノベーションのジレン...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日本の電機、半導体がどうしてここまで落ち込んでしまったのか、この本読んでよく分かりました。イノベーションは技術革新と訳すのは間違い、という出張も納得。テクノロジー>ビジネスという日本にありがちな価値観もこういう流れを助長していると思います。
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日本には低コストでものを作る技術者はなく、過剰品質、生産の結果が今日の状況を作り上げたと感じた。またサムスンとの比較のなかで顕著だったことはマーケットインの志向が強いということ。優秀なマーケッターが各国にいることで、その先の顧客の生活習慣まで把握できる。マーケッターの数も桁違いであることや、意思決定...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    一方こちらは現場サイドのお話から。恨み節が多々含まれているものの、NECも日立も商売を気にせず自己満足の道に突っ走った結果終わるという心温まるストーリー。
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    自分の会社は半導体とは縁もゆかりもないが、妙に納得できて興味深かった。
    ・パラダイムシフトに付いていけなければ負ける。
    ・技術力とは単に高性能な商品の開発能力でない。
    ・イノベーションとは爆発的に普及した新製品。技術革新とは無関係。
    ・サムスンのマーケティング重視=売れるものを創る姿勢が成功の要因。...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日立製作所で半導体技術者として従事していた筆者が、創造的模倣能力を取り戻すことによりイノベーション(発明と市場との新結合)を起こすことの重要性を主張する一冊。メモ。(1)日本の成功パターンには以下の3つの特徴がある。①製造工程に競争力の源泉がある産業。TQCやカイゼンにより製造効率が向上し、競争力と...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    面白かった!
    半導体の話が8割なものの、日本企業がなぜ海外企業に負けてるのかを的確にとらえていたと思う。
    特に装置メーカーシェアと標準化、モジュール化の話は、半導体業界だけの
    話ではなく、他業界にも良く当てはまる。
    また、NEC系と日立系の技術開発の認識の違いや、担当工程割の違いなど、普段そちらの企...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    著者は、日立の半導体設計の担当だった人で、日本の半導体の衰退がなぜ起こったかを分析して、その理由を明確にしている。

    産業のコメといわれた半導体(DRAM)は、成長が著しい分野だったが、過剰な品質の高耐久性のある半導体を出してある間に、低コストの安い製品に駆逐されてしまったことがよくわかる本だった。...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日本のものづくりの凋落についての分析は説得力ある。いつも、湯之上さんの説は面白い。
    無理に対策まで考えることなかったと思う。イノベーション(新結合)を模倣と言い換えてもな、、、。
  • 半導体有事
    タイトルに反し地政学的要素はほぼ無い。あったとしても、もし中国が台湾に攻め込んでTSMCに被害があると大変!の繰り返し。
    主に半導体製造工程それぞれで主要各国のメーカーがどんな技術力があり様々な役割を受け持っているかが書かれている。
  • 半導体有事
    過剰にセンセーショナルなタイトルと書きぶりな感じがしないでもなかったが、要所要所では初めて知る話も多く勉強になった。
    日本は長所(装置と材料)を伸ばしていけという筆者の主張には完全に同意する。
    これからも業界の動向を注視していきたい。
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    エルピーダの話は、いくつかの合併を経験した僕の勤める会社にもあてはまる。異文化の融合って簡単じゃないものだ。日本企業はかつては自分たちも模写を通して成長してきたのに、今や模写される側。自身の強みを理解して、積極的に国際展開しないとダメですね。うちにこもっている場合じゃない。
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    冒頭に著者の経歴が披露されている。京都大学大学院を卒業後、日立製作所で半導体の開発に従事し、その後日本の半導体産業の崩壊により、日立を希望退職した。
    本来の自分の能力からしてこんなハズではなかった。自分は優秀だが、半導体に関わる経営者・政府がバカだから、こんな結果になってしまったという出だしに、違和...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日経の書評で見て。半導体のプロだけあって、その解説は面白い。が、他の部分は『イノベーションのジレンマ』をはじめとする他の本の受け売りが多い。サマリーとして何冊分もの知見が一冊で読めるのはいいが、それぞれの本に良さがあり、オリジナルを読んだ方がいいような。入門としてはいいかな。