湯之上隆のレビュー一覧

  • 半導体有事
    米中間そして日韓の開発競争、というよりも足の引っ張り合いが、世界の進歩のためには百害あって一利なしと著者は強く警鐘をらならす。2021年の半導体関連素材の韓国への輸出規制は、ブーメランのように帰ってきて、日本の関係産業を衰退させている様が描写されている。
  • 半導体有事
    産業のコメと評される半導体。
    かつて世界を席巻していた日本の半導体産業も今は昔と思っていた。
    ところが日本には世界的に高いシェアを持つ製造装置や材料があると知り望みを感じるとともに、半導体は完全に世界的な分業なのだなと。
    本書ではそもそも半導体とは何か、微細化の効果と技術、製造過程やシェアについて分...続きを読む
  • 半導体有事
    凄い勉強になります。
     サプライチェーンが世界中に広がっていて、一国だけではもはや最先端の半導体は作れないこと。
     工場を作るからってすぐに最先端の半導体が出来ないこと。
    などなど知識が広がりました。
  • 半導体有事
    なかなか刺激的な内容だ。自分が開発している材料の一部も半導体産業で代替の効かない部材に使われている。仮に我が社に不幸な出来事が起こって材料を提供できなくなると、TSMCのWO-WLPプロセスが止まってiPhoneのプロセッサが製造できなくなる。TSMCからは間接的に『どうやったらその狭い規格を満足す...続きを読む
  • 半導体有事
    2022年に設立された日本の新しい半導体メーカRapidusは、2020年代後半にプロセスルール2nmの半導体の開発・量産を行うとアナウンスされているが、この目標がどれほど大それていて無茶であるか、順を追って説明してくれている。日本の半導体産業がまた失敗を繰り返すであろうことが予測され、残念な現実を...続きを読む
  • 半導体有事
    半導体3部作②半導体に人生を捧げてきたプロ 日本の凋落期経験からネガティブ
    2023年TSMC熊本工場新設も2025年Rapidus工場新設にも悲観的
    一度落後した半導体メーカーも国も再起は出来ない
    →本当にそうか? 
     「2n」折角の機会、タイミングに挑戦する価値はある
    そもそも1996年日米半導...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    良書。1990年代以降のDRAM半導体メーカーの凋落、今なお日系メーカーの強い分野とその背景の分析、総じて一番思うことはイノベーションとは技術と市場の結合であって、市場と結合しない独りよがりの技術は淘汰されること。これは多くの人が教訓として心がけ、明日の産業衰退の種にもう2度としないよう決意すること...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    電子立国日本の中核を担っていた半導体産業の凋落と、サムスンを始めとした新興国の隆盛。その渦中の中にいた、半導体メーカ技術者であった著者による分析と今後の日本の半導体産業への提言が本書。
    目から鱗だったのが、半導体産業の凋落の理由。今までのメディア情報で、設備投資のタイミングが遅いことと、アメリカから...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    読み応え十分だった。半導体産業の歴史、日立、NECの半導体事業の衰退が筆者の経験を踏まえダイナミックに語られている。なぜ日本の半導体産業は衰退したのか、その理由も明かされ一気に読んでしまった。DRAM、CPUと来て今はセンサーへの活路を模索している半導体産業の現実がよくわかった。
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    1980年代に世界をリードした日本の半導体産業。ところが現在では日立とNECのDRAMの合弁会社エルピーダメモリーは経営破綻し、日立、三菱、NECのマイコンを経営統合したルネサスエレクトロニクスも倒産寸前まで追い込まれるなど、当時の面影はありません。
    日本の半導体産業が世界一であった1980年代に日...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    半導体業界で活躍した著者であるため,半導体に関する記述が多い.特に,コンソーシアム(セリート)や国家プロジェクト(あすか)での,日本のやり方の失敗について手厳しく批判している.

    イノベーションは単なる高い技術ではなく,製品を作る以上は必要とされるものを作る技術でなくてはならない.マーケッティングを...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    元日立でエルピーダにも在籍した半導体技術者が、日本半導体の敗戦の原因をその内部にいた経験から分析したものである。まずは日本の技術は一流でそこは負けていないという神話の否定がある。少なくともコストパフォーマンスの面で劣っていたことは確かだろう。エルピーダで経験した事実の解説は負けるべくして負けた状況が...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
     DRAMから続く半導体ショックについて、内部最前線で働いていた著者による分析と提言。合弁会社、国PJ等色々テコ入れ画策するも、ことごとく潰れる状況とのこと。
     ニュースできいていた情報と大きくことなる内部事情に驚きながらもワクワク?しながら読む。これは半導体業界だけではない。機械系も同じかも。マー...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日本メーカー、特にソニー、シャープ、パナソニック、NEC、日立、三菱電機などの電機メーカーは、サムスンやアップルなどに敗退している。
    なぜ、日本型ものづくりは世界で勝てないのか。その理由を考察した一冊。

    筆者の湯之上氏は、日立製作所入社から16年にわたり半導体の開発に従事した、日本のものづくり現場...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    【ポイント】
    23/イノベーションとは、シュンペーターの定義:「発明と市場の新結合」
      ◆「爆発的に普及した技術や製品」 と著者はしている。

    55/半導体の量産技術
      量産移管の方法には、「コピーイグザクトリとコピーエッセンシャリ」がある。

    89/エルピーダはなぜ倒産したか? 
     ...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    今まで多くの日本脅威論を読んできましたが、その多くは製造業の実態をご存じない方が書いたものであり、一方で、日本のモノづくりがいまだ健在であるという本を読んで自分を安心させてきました。

    特に、ものづくりにおいて、最終製品では外国勢に負けていても、材料や半製品、製造装置のシェアは高く、これが日本の強さ...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    JBプレスで連載している日本半導体・敗戦から復興へのシリーズが面白い。そこで10月発刊のこの本が反響を呼んでいると有ったので読んでみた。「失敗の本質」の産業版だなあというのが感想だ。

    イノベーションを技術革新と訳すのがそもそも間違いじゃないか?経済学者のシュンペーターはイノベーションを「イノベーシ...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    類似テーマの名著、山本七平の「日本はなぜ敗れるのか」に引けを取らない面白さとリアルなインプリケーションの深さと普遍性からいうとどの業界にいる方に対しても「今個人的に一番おすすめしたい一冊」。
    2013年秋から妙にサムスン凋落を囃し上げる快哉が鳴り響いてはおりますが、結果論としての生き残った、生き残っ...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    元日立の半導体設計者である湯之上隆氏の最新刊。何冊も読んだが今回も本当に面白い。星5つ。

    半導体、電機をはじめとする日本のものづくりが敗戦したのは、世の中の変化パラダイム・シフトに対応することができず、顧客の注文に忠実に耳を傾けるあまり、性能や品質は劣るが『安い、小さい、使いやすい』などの特徴を持...続きを読む
  • 日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ
    日経新聞のレビューの評価が高かったので買った。実に面白かった。粗筋を急いで追って斜め読みしたので。二周目はじっくり読みたい。

    なぜ日本の半導体産業は凋落したのか?が日立の技術者としての筆者の経験を交えて語られ。読みやすく、スピード感もある。敗北の要因は多岐に渡る。しかし、際立つのは日本全体に蔓延る...続きを読む