伊藤宣広のレビュー一覧

  • ケインズ 危機の時代の実践家

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     ケインズは経済学者として、「雇用・理事及び貨幣の一般論」を発表し、マクロ経済学の理論を展開した。本書では、ケインズの研究や業績の背景を1910年代の第1次世界大戦後の戦後処理、金本位制復権問題、1930年代の世界恐慌など、時論を展開する必要に迫られた時代の実践家ケインズを描く。ミクロ的に合理的でもマクロ的に正しいとは限らない「合成の誤謬」となる政治的決断に抗い続けて、マクロ経済の「一般理論」に至った苦悩を描写する。「合成の誤謬」に関して、企業が利益追究のために従業員を軽視し、人件費を節約して非正規雇用を増やすという「合理的」行動をとると、社会の購買力は低下してしまう。人びとが将来に不安を抱き

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    2024年04月07日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

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    ミクロ的には正しい行動でも、みんながそれを行うと却って全体が不利益になる、合成の誤謬。自分だけ良ければいいという誘惑には抗いがたい。

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    2024年04月28日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

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    新自由主義が行き詰まり、あらためて見直されているのがケインズだ。マクロ経済の確立者なんだけど、本書では「合成の誤謬」にフォーカスする。
    各国が自国優先主義をとれば、世界のシステムが崩壊するのは自明の理。けれど自国のアドバンテージを縮小することなんてできるはずもない。やっぱり定期的に恐慌に耐えるしかないのかね。

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    2024年02月26日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

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    20世紀の両世界大戦と大恐慌の時代に、世界が崩壊へと向かうのを避けるための経済政策を考え続け、実践的な処方箋を発表し続けたケインズの、コモン・センスと洞察力の発揮される様を追っている。100年後の現代でも彼の見地、発想、発信力は屹立しつづけていると言わざるをえない。

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    2024年01月29日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

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    ケインズ経済学の内容紹介では必ずしもなく、「危機の時代の実践家」としてのケインズを描いた好著。「危機の時代」はもちろん第1次世界大戦から第2次世界大戦までの時代を指す。本書で具体的に取り上げられている課題は、第一次世界大戦後の対独賠償問題(「平和の経済的帰結」)、金本位制復帰問題(『貨幣改革論』『貨幣論』)、そして大恐慌の問題である(マクミラン委員会、『一般理論』へ)。最後に『一般理論』とその後についてで締め括られている。

    本書に通底しているのはミクロの合計がマクロにはならないという「合成の誤謬」という視点である。この視点自体はともすればもはや常識として忘却されがちであるのだが、当時において

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    2024年01月10日
  • ケインズ 危機の時代の実践家

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     ケインズの考えを時代の流れに沿ってとらえた書。特に「合成の誤謬」に焦点を当てているので、主著の『一般理論』の内容に触れる部分は少ない。コロナやウクライナ、イスラエル等の国際状況や、少子化、物価高等の経済状況を考えざるを得なく、その対応が兎角、個人的、ミクロ的、短期的、すなわち近視眼に陥っている現在の日本において、改めて読まれるべき書であると思う。それとはべつに、愛する奥様を亡くした心の痛みも癒えぬであろう中での本書の上梓に対して、著者に敬意を表したい。

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    2023年11月04日
  • 現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    「すべてはマーシャルにある」。
    ケインズに帰される革新的諸概念の多くは、マーシャル以来ケンブリッジでは共有財産となっていた。
    本書は、対立軸を設定しながら、マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、そしてケインズの経済学を読み解き、ケンブリッジ学派を貫く実践志向を浮き彫りにするものである。
    現実に応えるための経済理論は、どのように継承され、発展したのか。
    時代と格闘した学派をめぐる経済思想史。

    [ 目次 ]
    序章 理論と現実の狭間で―cool heads but warm hearts
    第1章 科学者と説教者―A.マーシャル
    第2章 光明と果実の葛藤―A.C.ピグー
    第3章

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    2011年04月06日
  • 現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜

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    イギリスのケンブリッジ学派を代表するマーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、ケインズの理論展開と人物などを紹介している。
    入門書というより、すでにマクロ経済学の基礎知識がある人向け。あと、ケインズ経済学に対し、いったん距離を置いて眺めてみたい人にも向いている。
    「経済学原理」を少し読んだことがあるが、マーシャルの偉大さが改めてわかった。

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    2011年05月20日
  • 現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜

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    速読。若手学者によるケインズへ到る20世紀初頭ケンブリッジ経済学をコンパクトにまとめた。概念が難しくなかなか頭へ入らず。経済学の素養無いと読むの辛い。あくまで学級でまとめた一冊であり、現在の経済と連携はしない。尖った専門課程やゼミの教科書にみたい。索引や文献案内もきっちりまとめられ、読み進む手がかりは残されている。

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    2009年10月04日
  • 現代経済学の誕生 ケンブリッジ学派の系譜

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    ケンブリッジ経済学派の人々の話。マーシャル、ピグー、ロバートソン、ホートレー、ケインズについて。ケンブリッジといえばケインズ革命と言われがちだけど、そもそもの根底はマーシャルにあり、ケインズ革命も所詮
    マーシャルの手のひらの上に過ぎないという異端?的なスタンスで書かれている。やはりいかんせん、経済についての知識が乏しいので十分には理解及び堪能できず。

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    2009年10月07日